歴史
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トゥッペギに入った白いスンドゥブ · 写真: 맛집마차 / CC BY 4.0 (Wikimedia Commons)

トゥッペギに入った白いスンドゥブ · 写真: 맛집마차 / CC BY 4.0 (Wikimedia Commons)

韓国江原道

江陵チョダンスンドゥブ:海水で固める豆腐と、許筠・許蘭雪軒の父の名

江陵・草堂マウルのスンドゥブは、にがりの代わりに東海(日本海)の海水で固めることで知られています。村の名前になった朝鮮の文人・許曄の話、伝説と記録の違い、白いスンドゥブから赤いチャンポンスンドゥブまでの選び方をまとめました。

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スンドゥブとはどんな豆腐か

スンドゥブは、型に入れて押し固めていない豆腐です。水に浸した大豆をすりつぶしておからをこし、こした豆乳を釜でかき混ぜながら煮て凝固剤を入れると、大豆のたんぱく質がふわふわと固まります。この固まりを上澄みごとすくったものがスンドゥブで、型に入れて水気を絞ればおなじみの木綿豆腐のような「モドゥブ」になります。そのためスンドゥブは絹ごし豆腐よりもやわらかく、温かいうちが一番おいしいのです。 名前の語源ははっきりしません。「やさしい豆腐」から来たという説と、「水豆腐」を意味する「スドゥブ(水豆腐)」から来たという説があります。地域によっては「スムドゥブ」「チョドゥビ」とも呼ばれます。旅行者におなじみの赤いスンドゥブチゲは、このスンドゥブで作る料理の一つです。

「草堂」という名前:許曄と江陵

草堂は朝鮮中期の文臣で朱子学者だった許曄(1517〜1580)の号です。許曄は、韓国最初のハングル小説とされる『洪吉童伝』の作者・許筠と、中国や日本にまで名を知られた女性詩人・許蘭雪軒の父親です。江陵には許曄の号が村の名前になったという話が伝わり、現在の江陵市草堂洞がその村です。 許曄が妻の実家のある江陵で、おいしい湧き水を使って豆腐を作り、それが草堂豆腐の始まりになったという話も広く知られています。両班が豆腐を売ったことで朝廷で批判されたという話まで付け加えられて伝わります。ただし、許曄が草堂豆腐を作ったという説には文献上の証拠がないことも知っておくとよいでしょう。古い村の名前と食べ物が結びついて生まれた伝説として楽しめば十分です。

にがりの代わりに海水

草堂豆腐の最大の特徴は、凝固剤として一般的なにがりではなく海水を使うことです。海に近い草堂マウルでは、東海から汲んできた海水を豆乳に入れて豆腐を固めてきており、今も海水を使っていることを売りにする店が多くあります。海水に含まれる成分がにがりの役目を果たし、豆腐にほのかな塩気がしみ込むので、味付けをしなくても香ばしく淡白な味がする、というのが草堂豆腐好きの言い分です。 なぜ海水を使うようになったのかについては、にがりが手に入りにくかったからだという話が伝わりますが、これも記録で確かめられたものではありません。確かなのは、海水で固めるという製法が、草堂豆腐をほかの地域の豆腐と区別する名札になったということです。

草堂豆腐村と周辺の見どころ

草堂マウルは1,000年以上も人が暮らしてきた古い村で、1990年代以降にスンドゥブを中心とする食堂が大きく増え、今の草堂豆腐村になりました。村の中にはスンドゥブ専門店が軒を連ね、韓屋を改装して中庭を眺めながら食事ができる店もあります。 草堂洞には許筠・許蘭雪軒記念公園と記念館があり、豆腐の話に登場する人物ゆかりの場所も一緒に巡れます。松林の間に散策路が続き、少し歩けば江門ビーチや鏡浦湖、鏡浦ビーチへと出られます。スンドゥブで朝食や昼食をとってから海辺や湖畔を歩くのは、江陵旅行の定番の一日コースの一つです。スンドゥブ入りのジェラートやアイスクリームなど、新しいデザートを売る店も登場しています。

何を頼む?白いスンドゥブからチャンポンスンドゥブまで

初めてなら「スンドゥブペッパン(定食)」がおすすめ。トゥッペギ(土鍋)に入った白いスンドゥブがご飯とおかずと一緒に出てきます。何も入れないスンドゥブに薬味醤油を少しずつ加えながら、大豆本来の味を楽しむのが草堂流です。できたての豆腐を切って出す「モドゥブ」や、いろいろな具と煮込むスンドゥブチョンゴル(鍋)、豆腐チョンゴルも人気メニューです。 辛いものが好きなら「チャンポンスンドゥブ」を。海鮮と野菜を入れた赤いチャンポンのスープにスンドゥブを入れた変わり種で、草堂マウルでよく見かけます。辛いのが苦手なら白いスンドゥブを、どちらも気になるなら同行者とシェアするのがいいでしょう。朝早くから開いている店もあるので、日の出を見たあとの朝食にもぴったり。人気店は週末の昼に行列が長くなるので、少し時間をずらすのがコツです。

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