豆知識
韓国忠清北道

沃川のセンソンククスとドリベンベンイ:錦江の川魚で作る忠清北道の名物二品

大清湖と錦江に面した忠清北道・沃川には、川魚をじっくり煮込んだ「センソンククス(魚麺)」と、小魚をフライパンに円く並べて揚げ焼きにする「ドリベンベンイ」があります。二つの料理の由来と作り方、青山面の名物通りまで紹介します。

5分で読める6

大清湖と錦江が育んだ川魚料理

忠清北道南部の沃川(オクチョン)は、錦江が曲がりくねって流れ、大田と接する側には大きな人造湖・大清湖が広がる町です。海のない忠清北道の中でも水の豊かな地域で、昔から川で獲れる魚を使った料理が発達してきました。 沃川を代表する川魚料理が、センソンククスとドリベンベンイです。センソンククスは川魚を長時間煮込んだとろみのあるスープに麺を入れて煮た料理、ドリベンベンイは指ほどの小魚をフライパンに円く並べて揚げ焼きにし、タレを塗った料理です。二つは同じ店で一緒に出すことが多く、麺一杯にドリベンベンイ一皿を添えるのが沃川でよくある頼み方です。

センソンククス:4〜5時間煮込んだ川魚のスープ

沃川のセンソンククスは、1962年に青山面のある食堂で始まったと伝えられています。新鮮な川魚を大鍋に入れて4〜5時間じっくり煮出し、ざるでこして骨を取り除きます。そこに味付けしたコチュジャンを溶いて味を調え、麺とねぎ、ズッキーニ、エゴマの葉、セリ、青唐辛子などを入れてもうひと煮立ちさせれば完成です。 魚の身がスープに溶け込んでとろみがあり、麺と一緒にやわらかな魚の身を味わえます。生臭さを心配する人も多いのですが、コチュジャンと野菜のおかげでピリッとさっぱりした味です。たんぱく質とカルシウムが豊富で滋養食とされ、酔い覚ましにもよく食べられます。地域によっては似た料理を「オタンククス(魚湯麺)」と呼ぶので、ほかの地方で食べたことがあれば親戚のようなものと考えればいいでしょう。

ドリベンベンイ:名前どおりぐるぐる並べた小魚

ドリベンベンイは、錦江で獲れた指ほどの川魚を使う料理です。小魚をフライパンにぐるりときれいに並べ、カリッと揚げ焼きにしてからコチュジャンのタレを塗り、にんじん、長ねぎ、唐辛子などをのせて出します。丸いフライパンの上に魚が花びらのように円く並ぶ姿が独特で、初めて見た人はまず写真を撮ります。 名前は、川魚をフライパンに円くぐるぐると並べて調理することから付いたそうです。主にオイカワやワカサギを使い、季節によって冬はワカサギ、夏はオイカワを使うという店もあります。骨ごと食べる小魚なのでカリカリと香ばしく、甘辛いタレのおかげでご飯のおかずにも酒のつまみにもよく合います。沃川をはじめ、錦江上流の川魚料理店でよく見かけます。

青山面のセンソンククス名物通り

センソンククス発祥の地として知られる沃川郡青山面には、センソンククスの店が集まっています。沃川郡は2018年に青山面の芝田里と校坪里一帯をセンソンククス名物通りとして整備し、報道によって6〜8軒ほどの店が営業していると紹介されています。店ごとにスープの濃さや味付けが少しずつ違い、コチュジャンだけで味付けしてスープがすっきりしていると評判の店もあります。 青山面は沃川邑から南に離れた田舎町なので、公共交通より車で訪ねるほうが便利です。沃川邑や大清湖の周辺にも川魚料理を出す食堂が多いので、日程に合わせて選びましょう。沃川邑には詩人・鄭芝溶(チョン・ジヨン)の生家と文学館があり、センソンククスと一緒に文学散歩を楽しむ人も多くいます。

注文のコツと食べ方

初めてなら、センソンククス一杯とドリベンベンイ一皿を頼んで同行者とシェアする組み合わせがおすすめ。ドリベンベンイはたいてい皿やフライパン単位で出て、大きさによって値段が変わるので、人数に合わせて選びましょう。ほかの川魚料理を一緒に出す店もあります。 センソンククスは骨をこしてから煮ますが、小骨が残っていることもあるのでゆっくり食べましょう。スープが熱くてとろみがあり冷めにくいので、取り皿に分けて食べるのも手です。ドリベンベンイは冷めるとカリカリ感が落ちるので、出てきたらすぐ食べるのがベスト。辛さは店によって違うので、辛いものが苦手なら注文時に伝えてみましょう。川魚料理は生臭さを心配してためらう人が多いのですが、長時間煮込んだスープとコチュジャンの味付けのおかげで、初めての人でも気軽に楽しめます。

#センソンククス#ドリベンベンイ#沃川#錦江#川魚料理
沃川のセンソンククスとドリベンベンイ:錦江の川魚で作る忠清北道の名物二品 | TastyLog