
セリをたっぷりのせた光州式オリタン · 写真: 동네부기 / CC BY-SA 2.0 kr (Wikimedia Commons)
光州オリタン(鴨鍋)の食べ方:えごまスープでセリをしゃぶしゃぶし酢味噌だれにつける理由
光州のオリタンは、えごまの粉をたっぷり溶いたとろみのあるスープと、山盛りのセリが特徴です。オリタン横丁ができた経緯からスープの味の秘密、セリとえごま酢コチュジャンでの食べ方、注文のコツまでまとめました。
光州の人が挙げる代表料理
オリタンは鴨をぶつ切りにして野菜と一緒に煮込んだ鍋料理で、京畿道や全羅南道などでも食べられますが、特に光州の郷土料理として知られています。光州市は2003年、地域を代表する「光州5味」として韓定食、無等山の麦飯、松汀トッカルビ、光州キムチとともにオリタンを選び、2019年ごろ新たに選んだ「光州7味」にもオリタンが入っています。 オリタンと聞いて澄んだスープを思い浮かべる人もいますが、光州式は違います。えごまの粉をたっぷり溶いてスープがとろりと香ばしく、その上にセリ(ミナリ)をどっさりのせて出すのが特徴です。初めて見る人は鍋を覆う緑のセリの量に驚きますが、このセリこそがオリタンを楽しむ鍵です。
ターミナルと駅の近くで生まれたオリタン横丁
光州のオリタンといえば、まず浮かぶのが北区の柳洞と新安洞にまたがる「柳洞オリタン通り」です。光州の地域文化資料によると、この一帯では1970年代からオリタンを作り始めました。1970〜1980年代は光州高速ターミナル、中央高速ターミナル、光州駅に近く人の往来が多かったため、オリタン専門店が30軒近くできたといいます。 2020年には光州市がここを鴨料理の特化通りに指定しました。いま営業している店の数は、資料によって20軒余りと紹介されることもあります。なぜ光州でオリタンが特に発達したのかについては、1960〜70年代に全羅道で鴨の集団飼育が増えたという説明や、羅州で鴨を育てていた人が光州に進出したという話などがありますが、確かな記録で確認されたものではありません。
とろみのあるスープの秘密はえごま
地域資料によると、光州のオリタンの始まりは、天然のマガモにセリとえごまの粉を入れて煮た料理でした。いまの店では、ぶつ切りの鴨を味噌、唐辛子、えごまの粉、にんにく、生姜などと一緒に長く煮込んでスープをとるのが一般的です。ある旅行メディアは4時間以上煮込むと紹介しており、自家製でえごまをひいてスープを作ることを売りにする店もあります。 えごまは鴨特有のにおいを和らげ、スープを香ばしくとろりとさせます。味噌と唐辛子が加わってピリッとしつつも重厚な味になるので、初めて食べる人は鴨肉よりも先にスープにほれ込むことが多いです。とろみがあるのでご飯を入れても食べごたえがあり、肌寒い日に特によく合う料理です。
セリをくぐらせ、えごま酢コチュジャンにつける
オリタンが煮立ち始めたら、上にのせたセリをひとつかみずつスープにくぐらせ、しゃぶしゃぶのようにさっと火を通して食べます。煮すぎるとセリのシャキシャキ感と香りが消えるので、しんなりしたらすぐ引き上げるのがコツです。セリを追加できる店もあるので、足りなければ聞いてみましょう。 つけだれも光州オリタンの楽しみです。卓上のえごまの粉と酢コチュジャンを取り皿に取って混ぜてたれを作るのですが、えごまの粉と酢コチュジャンを1対1.5ほどで混ぜる方法も紹介されています。甘酸っぱく香ばしいこのたれにセリと鴨肉をつけて食べ、スープは別にすくって楽しみます。肉とセリを食べ終えたら、残ったスープにご飯を入れて締める人もいます。
注文と旅のヒント
オリタンは大きな鍋で煮てみんなで取り分ける鍋料理なので、連れと一緒に行くのがおすすめです。店によって量や構成が違うので、人数を伝えてちょうどいいサイズを勧めてもらいましょう。えごまと味噌でスープが濃いめなので、辛さが心配なら注文時に伝えておくとよいです。 柳洞オリタン通りは光州中心部の北側、光州駅に近い場所なので、市内観光と組み合わせて立ち寄りやすいです。光州7味のうち松汀トッカルビは光州松汀駅一帯、サンチュティギムは忠壮路一帯で味わえるので、ルートに合わせて分けて食べてみるのも手です。熱々で濃厚なスープなので、肌寒い季節に特によく合います。