歴史
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宮島で味わうあなごめし · 写真: NY066 / CC BY-SA 3.0 (Wikimedia Commons)

宮島で味わうあなごめし · 写真: NY066 / CC BY-SA 3.0 (Wikimedia Commons)

日本広島

宮島のあなごめし:駅弁から始まった穴子飯の物語

カキと並んで宮島を代表する料理が、甘辛いタレを塗って焼いた穴子をご飯の上にびっしりのせたあなごめしです。瀬戸内の穴子が珍重された理由、1901年に駅弁として生まれた経緯、食べ方と買える場所をまとめました。

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宮島のもう一つの名物

あなごめしは、穴子をさばいて甘辛いタレを塗って焼き、タレを加えて炊いたご飯の上にびっしり並べた料理です。広島県の宮島口で生まれた郷土料理で、カキと並ぶ「宮島2大グルメ」として紹介されることもあります。見た目はうな丼に似ていますが、味はずっとさっぱりしています。 宮島は海に立つ大鳥居で知られる厳島神社のある島で、宮島口は島へ渡る船に乗る本土側の玄関口です。そのためあなごめしは、島を訪れる参拝客や観光客が船に乗る前や島を巡った後の一食として定着しました。いまでは広島を代表する名物の一つとして全国に知られています。

潮の速い瀬戸内が育てる穴子

宮島周辺の海では昔から穴子がよくとれ、好んで食べられてきました。この一帯は瀬戸内海でも潮流が速いため、穴子は風味と柔らかさに優れ脂ものり、「瀬戸のアナゴ」として珍重されていたといいます。 江戸時代の1825年に編まれた広島藩の地誌『芸藩通志』にも、アナゴをメバルやキスとともに挙げ「皆当島辺の産、味佳なりとす」と記した箇所があります。穴子は延縄漁や筒漁などでとられます。穴子の旬は1月中旬と夏で、特に1月中旬のものが最高といわれています。ビタミンAが豊富な魚でもあります。

1901年、駅弁として生まれる

あなごめしの始まりとして伝わる話はこうです。明治の中ごろ、宮島で米の商いをしていた商人が、宮島口の駅前参道に茶店を開きました。彼は地元の漁師が食べていた「あなごどんぶり」をヒントに、穴子のアラでとっただしでご飯を炊いた醤油味飯を考案し、コクがあると評判を呼びました。 1897年に山陽鉄道の宮嶋駅(現・JR宮島口駅)が開通すると、彼は駅で弁当を売ることを考えました。そして開通4年後の1901年、醤油味飯の上に穴子をびっしり敷き詰めた「あなごめし」を駅弁として発売しました。これがあなごめしの始まりとされています。昭和30年代には観光や修学旅行のバスが宮島口に何十台も訪れ「バス弁」としても有名になり、その様子がNHKで放送されると、ほかの店でもあなごめしを売るようになったといいます。

うな丼とどう違う?食べ方

あなごめしの作り方はうなぎに似ています。穴子を背開きにして中骨、頭、尾、ひれを取り、金串に刺して白焼きにした後、砂糖・醤油・みりん・日本酒を煮詰めた甘辛いタレを何度も塗りながら照りが出るまで焼きます。これを3cmほどに切り、タレを少し加えて炊いたご飯にのせます。地域によっては焼かずにタレで煮る「煮穴子」で出す店もあります。 穴子はうなぎより脂が少なく味がさっぱりしていて、身がふんわりほぐれます。タレのしみたご飯と一緒に大きくひとさじすくって食べると、穴子の香ばしさがよく分かります。生姜の甘酢漬けを添える店が多いので、合間の口直しにどうぞ。店ごとにタレの甘さや焼き加減が違うので、食べ比べる楽しみもあります。

どこで食べ、どこで買う?

2017年現在、あなごめしを出す店は宮島口に4軒、宮島の島内に12軒あり、店ごとに味が少しずつ違います。フェリーターミナルのある宮島口側の店で食べてから船に乗っても、島内の商店街を歩きながら店を選んでもよいでしょう。丼のように器に盛る店もあれば、お重で出す店もあります。 弁当で買って持ち歩くのも、あなごめしらしい楽しみ方です。元祖とされる弁当は宮島口駅だけでなく広島駅などでも販売実績があり、新幹線に乗る前に買って車内で食べる旅行者もいます。昼どきは行列が長くなる店もあるので、少し早めの行動がおすすめです。

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