歴史
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醤油・ねぎ・粉唐辛子をのせたナプチャクマンドゥ · 写真: 대구광역시 / CC BY 4.0 (Wikimedia Commons)

醤油・ねぎ・粉唐辛子をのせたナプチャクマンドゥ · 写真: 대구광역시 / CC BY 4.0 (Wikimedia Commons)

韓国大邱

ナプチャクマンドゥ:具は少なく皮は薄く、大邱の軽食店が生んだ名物

具がぎっしり詰まった餃子を想像していたら、大邱のナプチャクマンドゥに驚くかもしれません。薄い皮に春雨とニラを少しだけ入れて平たく焼くこの餃子が1960年代の大邱で生まれた背景、大邱10味になるまで、トッポッキのタレにつける地元流の食べ方をまとめました。

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名前のとおり平たい餃子

ナプチャクマンドゥは、文字どおり「平たい餃子」です。ごく薄くのばした小麦粉の皮に春雨とニラ、ねぎをほんの少しだけ入れて半月形に折り、油をひいた鉄板でこんがり焼き上げます。具が少ないので、餃子というより薄いチヂミのようにも見えます。 そのためナプチャクマンドゥの味は、具の風味よりも焼いた皮から生まれます。油に触れた表面はカリッと、真ん中はもちっとした歯ごたえで、香ばしい小麦の味がいちばん前に出ます。そこにタレをかけたり、ほかの料理と合わせたりして味を足すのが大邱流です。初めての旅行者は「具がほとんどない」と驚きますが、何度か食べるうちにこのシンプルさが魅力だとわかるという声が多いです。

1960年代の大邱で生まれる

大邱市や地域の文化資料によると、ナプチャクマンドゥは1960年代初めに大邱で登場し、1963年ごろから商品として売られ始めました。朝鮮戦争の後、食べ物が十分でなかった時代に、比較的手に入りやすい小麦粉で皮を作り、春雨やニラ、ねぎなど少しの材料だけを入れて平たく包んで食べたのが始まりだと説明されています。 具を節約し薄い皮を油で焼く方法は、もともと暮らし向きから生まれたものですが、時が経つにつれてかえって大邱のナプチャクマンドゥならではの個性になりました。戦争避難民が作ったという話もよく聞かれますが、それを裏付ける資料ははっきりしません。確かなのは、何十年にもわたって大邱の人々の日常のおやつとして愛されてきたことです。

軽食店のおやつから「大邱10味」へ

ナプチャクマンドゥが大邱各地に広がったのには、1960〜70年代の粉食(軽食)文化が大きく関わっています。政府が米の代わりに小麦粉の食べ物を勧めた混食・粉食奨励政策と重なって軽食店が増え、ナプチャクマンドゥは学校前の軽食店や伝統市場を中心に大邱の人々の定番おやつになりました。大邱で学生時代を過ごした人にとっては、トッポッキと一緒に思い出す懐かしい味です。 2006年、大邱市は郷土料理の公募と評価を経て76の候補から10品を「大邱10味」に選び、ナプチャクマンドゥもタロクッパ、マクチャン焼き、ムンティギ、東仁洞チムカルビ、ムチムフェなどと並んで選ばれました。選定基準は地域性、固有性、親しみやすさなどでした。今ではナプチャクマンドゥは大邱を訪れる観光客がわざわざ味わう郷土料理になっています。

大邱っ子のように食べる

いちばん基本は、焼いたナプチャクマンドゥに醤油をかけ、刻んだ長ねぎと粉唐辛子をのせて食べる方法です。しょっぱい醤油とねぎの香りが香ばしい皮によく合います。もう一つの代表的な食べ方は、辛いトッポッキのタレにつけたり、トッポッキの上にのせて一緒に食べたりすることで、軽食店でトッポッキとナプチャクマンドゥを一緒に頼む人が多くいます。 大邱ではチョルミョン(コシの強い辛い麺)や、大邱10味の一つであるムチムフェ(イカやツブ貝などの海産物を野菜と辛いタレで和えたもの)と合わせることもあります。甘酸っぱく辛いタレをナプチャクマンドゥで包んで食べると、淡白な皮がタレの味を受け止めてくれます。店によっては醤油ダレを先にかけてくれたり、自分でかけるようにしていたりするので、テーブルの調味料入れを見てみましょう。

どこで食べる?

ナプチャクマンドゥは大邱市内の軽食店、学校前の店、伝統市場など、どこでも手軽に食べられます。老舗の専門店がいくつもあり、校洞市場や南門市場の周辺のように、市場の内外で鉄板で焼く様子を見ながら食べられる場所もあります。地元の記事によると、同じナプチャクマンドゥでも店ごとに皮の厚さや具の量、焼き方が違い、皮がごく薄く具の少ない店と、比較的具をたっぷり入れる店に分かれるそうなので、食べ比べるのも楽しいです。 大邱市は大邱10味を広めるため、毎月10日・20日・30日を「大邱10味デー」とし、参加店で割引などのイベントを行ってきました(2025年時点)。実施の有無や参加店は年によって変わることがあるので、大邱市の食の情報サイトで確認してください。値段が手ごろなので、旅の途中で小腹がすいたときに一皿買って分けるのにもぴったりです。

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