歴史
板付きの紅白かまぼこ · 写真: Andy king50 / Public domain (Wikimedia Commons)

板付きの紅白かまぼこ · 写真: Andy king50 / Public domain (Wikimedia Commons)

日本箱根

小田原かまぼこ:箱根路の入り口で大名行列をもてなした板付き蒲鉾

箱根旅行の玄関口・小田原は、日本有数のかまぼこの里です。900年以上続くかまぼこの歴史、小田原で栄えた理由、関西風との違い、日本流の楽しみ方をまとめました。

6分で読める7

900年前の記録に登場するかまぼこ

かまぼこ(蒲鉾)は、白身魚をすりつぶして塩を加えて練り、形を整えて蒸したり焼いたりした日本の練り物です。名前は、もともと竹串に魚のすり身を巻いて焼いた形が蒲(がま)の穂に似ていたことから付いたとされます。確認できる最古の記録は平安時代の文献『類聚雑要抄』で、永久3年(1115年)に藤原忠実の宴会で串に刺したかまぼこが出されたと記されています。 この記録をもとに業界団体は11月15日を「かまぼこの日」と定めました。今のような板付きの形はその後に生まれたもので、最初の串焼きは今のちくわに近い形だったわけです。

小田原で栄えた理由:海と箱根の山

小田原は相模湾に面し、昔から沿岸漁業が盛んで、たくさん獲れた魚を保存して食べる方法としてかまぼこが生まれたと紹介されています。農林水産省によると、小田原では室町時代からかまぼこが作られ、生産が本格的に増えたのは江戸時代後期。神奈川県の観光公式サイトは、約220年前にかまぼこ作りが盛んになったという説を紹介しています。 大きなきっかけは街道でした。小田原は東海道の難所・箱根の山の東のふもとにある城下町であり宿場町でした。参勤交代で江戸を行き来する大名やその家臣たちが小田原や箱根に泊まってかまぼこでもてなされ、それが旅のみやげとなって全国に名を広めたといいます。

なめらかな表面と弾力:小田原風の特徴

小田原かまぼこは、白身魚を塩とともにすりつぶして練り、木の板に半月形に盛って蒸す「蒸しかまぼこ」です。農林水産省は、表面を焼く関西のかまぼこと違い、小田原かまぼこは表面がなめらかな点を違いとして挙げています。魚の味わいと弾力のある食感が特徴で、このしこしことした歯ごたえを日本では「足」があると表現します。 文化庁は2021年度に「小田原蒲鉾」を「100年フード」に認定し、相模湾で獲れた魚と箱根・丹沢山系の水で作られてきた食べ物だと紹介しました。ただし漁獲量が減ったため、今では原料の魚の一部をほかの地域から仕入れているそうです。

日本流の楽しみ方:板わさとおせち

かまぼこは温めずに切ってそのまま食べるのが基本です。板から外して1cmほどの厚さに切り、おろしわさびと醤油を添えれば、居酒屋やそば屋の定番のつまみ「板わさ」になります。厚めに切ると弾力のある食感がよりよくわかります。 かまぼこは日本のお正月料理・おせちにも欠かせません。紅白のかまぼこを「紅白は縁起がよい」「見栄えがする」としておせちに入れることが多いのです。うどんやそばにのせる一切れ、弁当のおかずとしても、日常でよく出会う食べ物です。魚が原料の加工品なので冷蔵保存が基本。おみやげに買うときは賞味期限と保存方法を確認しましょう。

箱根へ行く途中、小田原に寄る

東京から箱根へ向かうとき、多くの旅行者は新幹線や小田急線で小田原駅を通るか、ここで乗り換えます。少し時間があれば小田原で降りて、かまぼこ店が集まる通りを歩いてみてください。神奈川県の観光サイトは、小田原にはかまぼこ店が並ぶ「かまぼこ通り」があり、いろいろな商品を食べ比べるのにぴったりだと紹介しています。原料の魚によって味が変わるので、試食しながら選ぶ楽しみがあります。 小田原はかまぼこへの愛着がひときわ強い町でもあります。農林水産省によると、多くの公立小中学校が11月15日の「かまぼこの日」ごろに給食でかまぼこを出し、3月下旬には小田原城でかまぼこ作り体験などがある「小田原かまぼこ桜まつり」が開かれます。小田原城の観光とあわせて予定に入れるのもおすすめです。

#かまぼこ#小田原#箱根#練り物#100年フード
小田原かまぼこ:箱根路の入り口で大名行列をもてなした板付き蒲鉾 | TastyLog