豆知識
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日光のゆばむすび · 写真: くろふね / CC BY 4.0 (Wikimedia Commons)

日光のゆばむすび · 写真: くろふね / CC BY 4.0 (Wikimedia Commons)

日本日光

日光ゆば:京都とは違う「湯波」、二枚重ねで引き上げる

日光を歩くと、あちこちで「湯波」という文字を見かけます。同じゆばでも京都は「湯葉」、日光は「湯波」と書き、形も違います。ゆばとは何か、日光ならではの特徴、山岳修行とのゆかり、食べ方をまとめました。

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ゆばとは

ゆばは、豆乳を温めたときに表面にできる薄い膜を竹串などで引き上げた食品です。牛乳を温めると膜ができるのと同じ仕組みで、豆乳のたんぱく質や脂質が熱で固まってできます。豆腐と違い、にがりなどの凝固剤をまったく使わないのが特徴です。中国の「腐皮」や乾燥させた「腐竹」と同じ仲間の食材です。 日本に伝わった経緯としては、鎌倉時代に大陸で学んだ禅僧が持ち帰り、精進料理に用いたという説明が一般的です。平安時代に最澄が中国から持ち帰ったという話もありますが、日本語版ウィキペディアはこれを誤りとしており、文献で確認できる最古の記録は1597年の日記です。

京都は「湯葉」、日光は「湯波」

日本ではゆばはふつう「湯葉」と書きますが、日光では「湯波」と書くのが一般的です。名前の由来には諸説あり、表面が波打つことから「湯波」と書くようになったという説明が伝わっています。 もっと大きな違いは引き上げ方です。京都の湯葉は膜の端から引き上げて一枚にするので薄く仕上がります。一方、日光の湯波は膜の中央に串を入れ、二つ折りにするように引き上げるので二枚重ねになります。そのため日光の湯波は厚みとボリュームがあり、重なりのあいだに豆乳を含んでいて、濃厚でやわらかな味わいです。同じゆばでも京都のものと食べ比べると、違いははっきりわかります。

山岳修行者の貴重な栄養源

日光は東照宮や輪王寺、二荒山神社がある山岳信仰の聖地で、古くから山に入って修行する修験者(山伏)が集まる場所でした。肉や魚を口にしない修行生活のなかで、大豆から作るゆばは貴重なたんぱく源であり、そのため日光ではゆばが精進料理の食材として定着したと紹介されています。 観光メディアのなかには日光ゆばの歴史を「千年」と表現するところもありますが、正確な始まりを示す史料が確認されているわけではないので、そうした数字は「言い伝え」くらいに受け止めるのがよいでしょう。ただ、東照宮の参拝客でにぎわった江戸時代以降、日光の町でゆばが名物として愛されてきたことは確かです。

日光ゆばの食べ方

日光ではゆばをいろいろな形で楽しめます。もっとも素朴なのは、引き上げたばかりのゆばを刺身のように醤油やわさび醤油で食べる「刺身ゆば(引き上げゆば)」で、豆乳の香ばしさがそのまま味わえます。店先で刺身用のゆばを売っている光景も見られます。 日光らしい名物には「揚巻湯波」があります。ゆばを棒状にくるくる巻いて輪切りにし、油で揚げたもので、これを甘辛い煮汁で煮て食べます。ほかにも、ゆばをのせた丼やそば、ゆばでご飯を包んだおむすびなど、手軽に食べられるメニューもたくさんあります。精進料理のコースなら、いろいろな形のゆば料理を一度に味わえます。

どこで味わう?

ゆばの店や飲食店は、東武日光駅・JR日光駅から神橋や東照宮方面へ続く大通りとその周辺に多く集まっています。東照宮の参拝の前後に歩けば、「湯波」の看板やゆば料理を出す店をすぐに見つけられます。明治元年創業と紹介される老舗など、歴史あるゆば店もこの通りにあります。 おみやげには乾燥ゆばや真空パックの揚巻湯波が人気です。生ゆばは日持ちしない生鮮食品なので現地で食べ、持ち帰るなら乾燥品や常温保存できる商品を選びましょう。大豆の加工品でも、帰国時の持ち込みルールは事前に確認しておくと安心です。精進料理のおかげで、日光は菜食の旅行者にとっても食事を選びやすい町です。

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日光ゆば:京都とは違う「湯波」、二枚重ねで引き上げる | TastyLog