豆知識
鬱陵島のホンハプパプ · 写真: Eugene Kim / CC BY 2.0 (Wikimedia Commons)

鬱陵島のホンハプパプ · 写真: Eugene Kim / CC BY 2.0 (Wikimedia Commons)

韓国慶尚北道 · 鬱陵島

鬱陵島のホンハプパプとタゲビカルグクス:島の海の食卓の読み解き方

東海の真ん中に浮かぶ鬱陵島では、どの食堂にもホンハプパプ(ムール貝ご飯)とタゲビカルグクスが並びます。顔ほどもある鬱陵島のムール貝、実はカサガイの「タゲビ」、刻み海苔をかけるかどうかまで、島の料理を楽しむコツをまとめました。

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島の食堂メニューの常連たち

鬱陵島は慶尚北道鬱陵郡に属する東海の火山島です。船で渡り、島の食堂のメニューを開くと同じ名前が何度も出てきます。タゲビカルグクス、タゲビご飯、ホンハプパプ、そしてイカの内臓スープです。2019年に慶北毎日に載った鬱陵島紀行文は、島の食堂のほとんどがこれらの料理を出していると伝えています。 これらの共通点は、島の前の海で採れる材料で作ること。本土から食材を運ぶのが難しかった島で、人々は岩場や海中で自ら採った貝でご飯を炊き、だしをとりました。だから鬱陵島の名物は、華やかな料理というより「島の日常の食卓」に近いのです。ここでは中でも代表的なホンハプパプとタゲビカルグクスを中心に紹介します。

顔ほどもある鬱陵島のムール貝

鬱陵島のムール貝は「ヨラプ」や「チャムダムチ」とも呼ばれます。2013年のソウル新聞の記事によると、本土のムール貝よりずっと大きく、人の顔ほどのものもあり、殻には海藻や海の生き物が付いています。煮ても身が崩れにくく歯ごたえがあり、干すとクチナシの実のような赤みを帯び、磯の香りが濃くなるそうです。 この貝は海女やダイバーが水深20m以上まで潜って採ってきます。冬は時化で潜るのが難しいため、晩秋に下処理した貝を海水ごと凍らせておいて使うのだとか。季節によって生の貝と冷凍の貝を使う時期が分かれるわけです。市場や食堂で干しムール貝を見かけたら、その赤い色にも注目してみてください。

ホンハプパプ:水遊びの釜飯から島の代表的なご飯へ

ホンハプパプは、細かく刻んだムール貝を米と一緒に炊いたご飯です。ソウル新聞の記事が紹介する方法は、もち米とうるち米を混ぜ、醤油とごま油で味付けして30分ほど炊くもので、干し貝を刻んで入れることもあります。ご飯のあちこちに貝が散らばり、色も食感も生きています。 同じ記事は島に伝わる始まりの話も紹介しています。夏、島の人々が海辺へ水遊びに行くときに釜を持っていき、当時は浅いところでも簡単に採れた大きな貝を刻んで米と炊いて食べ、残った小さな貝は茹でて食べながら遊んだというもの。これがホンハプパプの始まりと伝えられているそうです。今では「鬱陵島といえばホンハプパプ」と言われるほどの名物になりました。

「タゲビ」は実はカサガイ

タゲビカルグクスの「タゲビ」は、いわゆるフジツボではありません。2025年の慶北毎日の連載によると、鬱陵島でタゲビと呼ぶものは実はカサガイです。本物のフジツボは岩や船底に固着して暮らす甲殻類、カサガイは動き回る軟体動物で、まったく別の生き物です。島の人々はこのカサガイでタゲビご飯、タゲビカルグクス、タゲビ粥、タゲビの和え物を作ってきました。 だしの取り方も手間がかかります。同じ連載によると、下処理したタゲビを殻が開くまで茹でて身を取り出し、残った殻に水を足して5時間ほどじっくり煮出します。このだしで手打ち麺を煮ればタゲビカルグクスの完成。取り出しておいた身も一緒に入れ、歯ごたえを楽しみます。

島でおいしく食べるコツ

ホンハプパプには普通、刻み海苔と薬味醤油が添えられます。ただソウル新聞の記事は、貝本来の磯の香りを楽しむなら、最初の数さじは海苔なしで食べてみるよう勧めています。薬味醤油も一度にかけるより、少しずつ取って味を調えるほうがいいでしょう。ワカメスープと一緒に出ることが多く、春には島に生える香りのいいチョノナムル(シャク)をのせて食べることもあります。 ホンハプパプとタゲビカルグクスを一緒に頼んで分ければ、ご飯とスープの両方を味わえます。鬱陵島は天候で船便がよく変わるので日程に余裕を持ち、道洞港や苧洞港周辺の食堂街でメニューを見比べてみてください。冬は冷凍貝を使う時期だと知っておくと、季節で変わる島の食卓の事情も少し見えてきます。

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