
星州チャメ
星州チャメ:韓国のマクワウリの大半を育てる町、黄色い果物の50年
白い筋がくっきりした黄色いチャメ(マクワウリ)は、韓国の夏を代表する果物。その大半が慶尚北道の星州で採れます。星州がチャメの産地になった理由、品種の歴史、選び方と食べ方をまとめました。
韓国の夏の果物、チャメ
チャメは黄色い皮に白い縦筋が入った小ぶりのメロンの仲間で、韓国の人にとって夏といえば思い浮かぶなじみの果物です。シャキッとした食感とほのかな甘みが特徴で、国際食品規格(コーデックス)には「Korean Melon」の名で登録されています。古文献を引いた報道によると、三国時代かそれ以前に中国を経て伝わったとされるほど古い果物です。 このチャメの大半が慶尚北道星州郡で採れます。星州の割合は資料によって異なり、2005年基準の資料は全国生産量の67%、2018年の記事は約70%、2026年の記事は約85%と紹介しています。基準年や集計方法が違うため数字はばらつきますが、韓国で食べられるチャメの多くが星州産であることは確かです。
なぜ星州?砂質土、川、そして寒暖差
2007年の毎日新聞(大邱)の記事は、星州がチャメの産地になった理由をこう整理しています。農業に適した砂質壌土で、東に洛東江、西に大加川が流れ地下水が豊富。西には伽倻山が屏風のようにそびえ、日照量が多く寒暖差が大きいため糖度の高いチャメが育つ、というものです。2026年の報道も、水はけのよい真砂土、豊富な水、恵まれた気候を挙げています。 立地も一役買いました。大邱から約30kmの近郊農業地帯で、地価が大邱周辺より安く道路の便もよいため、大消費地へ運びやすかったのです。星州はかつての星山伽耶の都で、朝鮮の地理学者・李重煥の『択里志』で国内屈指の肥沃な土地として紹介されたとも言われます。
品種が変えた歴史:銀泉から金サラギまで
星州でチャメを育てて50年をゆうに超えます。地元紙は1950年代から培ったノウハウに触れ、星州郡は、1970年に星州邑の農家が露地に銀泉チャメを植えたのを商業栽培の始まりとみています。 品種の変化が大きな転機でした。韓国の地方紙・毎日新聞によると、1957年に日本から導入された「銀泉チャメ」が在来種より糖度が高く品種の主軸となり、1975年には「新銀泉チャメ」が普及しました。そして1984年に普及した「金サラギ(クムサラギ)」が、高い糖度とシャキシャキした果肉で今の星州チャメを築いた立役者とされています。今はビニールハウスに秋に苗を植え、早ければ1月から初出荷が始まります。
地理的表示と「チャメ特区」
星州チャメは地名そのものが品質保証のように使われる代表的な農産物です。毎日新聞によると、2005年に地理的表示(第10号)に登録され、2006年には星州チャメ産業特区に指定されました。 規模も大きく、2005年時点で約5,400戸の農家が3,200ha余りでチャメを栽培し、2017年にはチャメの粗収入が初めて5千億ウォンを超えたと報じられています。2026年の記事によると、2020年以降は毎年6千億ウォン以上を上げ、一つの作物が地域内総生産の約25%を占める事例とされています。最近は垂直栽培、水耕栽培、接ぎ木ロボットなど新技術の研究とともに、日本中心だった輸出をより多くの国へ広げる試みも続いています。
上手な選び方とおいしい食べ方
チャメを選ぶときは、全体が鮮やかな黄色で白い筋がくっきりしたものを、というアドバイスが多くあります。緑が多く残るものは未熟なことがあり、オレンジがかりすぎたものや茶色の斑点が広がったものは熟しすぎかもしれません。手に持ってずっしり重く、硬いものがよいでしょう。 食べ方はシンプル。冷やして皮をむき、半分に切って食べます。種のある真ん中がいちばん甘いと、種ごと食べる人も多いですが、気になるならかき出してもかまいません。主産地の星州では、チャメを使った加工品も見かけます。露地もののチャメの旬は真夏ですが、星州はビニールハウスで冬から出荷するので、春から初秋に立ち寄れば採れたてのチャメに出会えます。