歴史
1 / 2
潭陽で味わったトッカルビ · 写真: Mar del Este / CC BY-SA 4.0 (Wikimedia Commons)

潭陽で味わったトッカルビ · 写真: Mar del Este / CC BY-SA 4.0 (Wikimedia Commons)

韓国全羅南道 · 潭陽

潭陽のトッカルビとテトンバプ:竹の里の定番ごはん

潭陽では、カルビの身を細かく叩いて骨に付け直して焼くトッカルビと、竹筒で炊いたテトンバプを一緒に出すお膳によく出会います。トッカルビの名をめぐる諸説、光州・松汀式との違い、テトンバプの食べ方をまとめました。

6分で読める2

竹の里・潭陽の食卓

全羅南道の潭陽(タミャン)は竹の里です。竹緑苑などの竹林で知られるこの町では、竹が食卓にも上がります。春から初夏にかけてはタケノコの季節で、タケノコの和え物、タケノコの味噌汁、タケノコの醤油漬けといったおかずをよく見かけます。竹筒に入れて熟成させたお酒もこの土地の名産です。 なかでも旅行者に一番人気の組み合わせがトッカルビとテトンバプ(竹筒ご飯)です。トッカルビ定食を頼むとテトンバプと南道式のおかずが一緒に出てくる店が多く、ひとつのお膳で潭陽の味をひととおり楽しめます。

トッカルビという名前と諸説ある由来

トッカルビは、カルビの身を細かく叩いて味付けし、餅(トック)のように平たく成形して焼く料理で、形が餅に似ていることが名の由来とされます。昔は歯の弱いお年寄りのために作るとして「孝カルビ」とも呼ばれ、「トッカルビ」という名が広く使われるようになったのは1960年代後半から70年代初めごろという説明が多く見られます。 潭陽には、朝鮮初期に日本へ使節として渡った文臣・老松堂宋希璟(ソン・ヒギョン、1376〜1446)が潭陽に移り住み、宮中で味わった料理を伝えたという話が伝わります。多くの紹介記事に登場する話ですが、史料で確かめられた事実ではありません。トッカルビが王の宮廷料理だったという話も1990年代末から広まったもので、歴史的根拠は弱いという指摘があります。

潭陽式と光州・松汀式はどう違う?

全羅道のトッカルビは大きく二つの系統で語られます。隣の光州の松汀(ソンジョン)トッカルビは1950年代に松汀里で始まったとされ、牛肉と豚肉を半々に混ぜ、20種類ほどの材料で作ったタレに長く漬け込み、じっくり焼くのが特徴です。 潭陽式は牛カルビを使います。カルビから身と骨を外し、身を細かく叩いて醤油、ごま油、にんにく、ねぎ、梨の汁などのタレで和え、それを再びカルビの骨の上に付けて四角く形を整えます。これを炭火の焼き網にのせ、タレを塗り重ねながら焼き上げます。松汀式と違い骨を土台に成形する点が潭陽式の違いとされ、骨を持ってかぶりつく楽しさもあります。

竹筒で炊くテトンバプ

テトンバプは、太い竹を節ごと切った筒に、米と雑穀、栗、ナツメ、銀杏、松の実などを入れて蒸したご飯です。筒は直径10cmほどの太い竹で作り、口を韓紙でふさいで蒸します。地域によってはチュットンバプとも呼ばれます。 竹筒で蒸すあいだに、ほのかな竹の香りがご飯に移るのが魅力です。テトンバプは比較的新しい料理で、1980年代に潭陽の竹細工産業が大きく衰え、竹の新しい使い道を探すなかで定着したという説明があります。今ではトッカルビと並んで潭陽を代表する料理に必ず挙げられます。もち米の割合や加える雑穀は店ごとに少しずつ違うので、同じテトンバプでも店によって味が異なります。

食べ方とどこで食べるか

トッカルビは焼き上がって出てきたらすぐに食べるのがおすすめ。骨付きなら、はさみで食べやすく切ってもらうか、骨を持ってかぶりついても構いません。葉野菜で包んだり、タケノコのおかずと合わせたりすると脂っこさがすっきりします。 テトンバプは筒からよそってそのまま食べてもよく、タケノコや山菜のナムルをのせ、コチュジャンを加えてビビンバのように混ぜる人も多くいます。タケノコの酢の物と味噌汁が付くお膳が一般的です。トッカルビやテトンバプを出す店は潭陽邑の中心部に多く、竹緑苑の竹林や官防堤林の散策と組み合わせやすい立地です。ほとんどが1人前単位の注文で、トッカルビ定食にテトンバプが含まれるかは店によって違うので注文時に確認しましょう。春に行くならタケノコ料理もぜひ一緒に。

#潭陽トッカルビ#テトンバプ#竹筒ご飯#潭陽#全羅南道の郷土料理
潭陽のトッカルビとテトンバプ:竹の里の定番ごはん | TastyLog