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大邱・東仁洞のチムカルビ

大邱・東仁洞のチムカルビ

韓国大邱

大邱・東仁洞のチムカルビ:へこんだアルミ鍋でニンニクと粉唐辛子たっぷり、カルビチムとはまるで違う大邱の味

大邱中区の東仁洞には、アルミ鍋に入った真っ赤なカルビを出すチムカルビ横丁があります。大邱10味の一つ、チムカルビの成り立ちと、甘い醤油味のカルビチムとの違い、残ったタレまでおいしく食べる方法をまとめました。

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東仁洞の路地で生まれたチムカルビ

チムカルビは大邱中区の東仁洞一帯が本場とされ、大邱市が選んだ代表的な郷土料理「大邱10味」の一つです。毎日新聞(韓国)は、1960年代後半の大邱がカルビとプルコギの全盛期を迎え、チムカルビもその流れの中で生まれた料理だと説明しています。同紙の別の記事は、横丁で最も古い店が1968年に開業したと伝えています。 当時の東仁洞は住宅街で、道は舗装されていない細い路地でした。1975年頃に道路が舗装されると店が一軒、二軒と入り、チゲの代わりにチムカルビを主力にする店が増えて、チムカルビ横丁ができたそうです。計画して造った通りではなく、自然に生まれた横丁だという説明です。開業年や横丁ができた時期は記事によって少しずつ違うので、おおよそ1960年代末から1970年代半ばにかけて根づいた料理と考えればよいでしょう。

カルビチムとチムカルビは別の料理

名前の順番を入れ替えただけのようですが、カルビチムとチムカルビは味がまったく違います。毎日新聞の説明では、最大の違いはヤンニョム。よく知られるカルビチムは醤油と砂糖で甘じょっぱく煮ますが、東仁洞のチムカルビはおろしニンニクと粉唐辛子をたっぷり入れて、辛くてほんのり甘い味に仕上げます。 材料は牛カルビに玉ねぎ、おろしニンニク、醤油、粉唐辛子くらいとシンプル。そこにカルビをゆでたスープを加え、化学調味料は入れないと紹介されています。辛さは食欲をそそる程度で後からほのかな甘みが残り、肉のあっさりした味とニンニクの香りが力強く合わさるのが特徴。一度食べるとまた食べたくなるという声が多い料理です。

なぜへこんだアルミ鍋なのか

東仁洞チムカルビの象徴は、あちこちへこんだアルミ鍋です。そのため「族譜(家系図)のない料理」「犬のエサ皿カルビ」といった冗談まじりのあだ名もつきました。でもアルミ鍋を使うのには理由があります。毎日新聞によると、肉とタレを一度に手早く火を通す必要があり、陶器は調理が遅く、ステンレスはタレが焦げやすくて合わないのだそうです。熱がすばやく伝わるアルミ鍋がこの料理にいちばん合っていたわけです。 もともと酒のつまみとして売られていた料理なので、改まった器より安くて扱いやすい鍋が自然だったのでしょう。長年火にかけたり下ろしたりを繰り返してできたへこみは、今ではチムカルビ横丁ならではの風景です。ただし2011年には見た目が良くないという指摘からステンレスの器に替える動きもあったと報じられているので、器は店によって違うかもしれません。

チムカルビのおいしい食べ方

チムカルビはそのまま食べても、サンチュに包んで食べてもおいしいです。辛いヤンニョムが肉にしっかりしみているので、葉野菜と一緒に食べると辛さがぐっとやわらぎます。骨についた肉は手に持ってかぶりつく人が多いので、おしぼりを用意しておくと便利です。 チムカルビの本当のしめくくりはタレです。鍋底に残ったニンニクと粉唐辛子のタレをご飯にのせて混ぜて食べたり、残ったタレにご飯を入れて底に少し焦げつくくらいまで炒めて食べたりするのが人気。もともとおかずより酒のつまみとして始まった料理なので、焼酎やビールにもよく合います。何人かで行くなら、まず肉を楽しんで最後に焼き飯でしめる流れが無難です。

どこで食べるか、あわせて味わいたい大邱10味

チムカルビ横丁は大邱中区の東仁洞にあります。大邱の都心・中区の中なので市内観光のルートに組み込みやすく、通りの両側にチムカルビの店が集まっているので看板を頼りに行っても迷いません。辛さと甘さのバランスやニンニクの量は店ごとに少しずつ違い、常連の好みも分かれます。辛いものが苦手なら注文時に辛さを聞いてみましょう。 チムカルビを食べたら、大邱10味のほかの料理もめぐる価値があります。大邱市が挙げる10味は、タロクッパ、東仁洞チムカルビ、マクチャン焼き、田んぼナマズのメウンタン、ムチムフェ、ナプチャクマンドゥ、フグのプルコギ、ヤキウドン、ムンティギ、ヌルングクス。大邱市は2025年にこれらをPRする「大邱10味デー」も実施しました。一日の旅なら、昼はチムカルビ、夜はマクチャンやムンティギと組み合わせるのも手です。

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