
無等山のポリパプ
無等山のポリパプ:登山客の空腹を満たした麦ご飯が光州5味になるまで、混ぜて包んで食べる方法
光州を抱く無等山(ムドゥンサン)のふもとには、麦ご飯に旬のナムルを20種類ほど添えて出すポリパプ(麦ご飯)の店が集まっています。登山客の食卓から始まった無等山ポリパプの由来と膳、混ぜたご飯をさらに葉野菜で包む光州流の食べ方をまとめました。
無等山のふもと、登山客の食卓
無等山は光州市内のどこからでも見える、光州の象徴のような山です。デジタル光州文化大典によると、無等山ポリパプは無等山・証心寺(チュンシムサ)の周辺で登山客向けに麦ご飯を売り始めたことに始まり、周辺へ広がりました。始まった時期については「約30年前」と書く資料もあれば、1980年代に生まれたとする資料もあり、少しずつ違います。 天地日報の報道は背景をこう説明しています。朝鮮戦争の後、無等山の登山道が1960年代後半に再整備されて市民が少しずつ山を訪れるようになり、1980年代に経済が上向くと登山口に食堂が増えました。ある食堂の主人が、山の上で麦の弁当を食べる登山客を見て、ひもじかった子どもの頃に食べた麦ご飯を懐かしがっていることに気づいてメニューに加え、ほかの店も後に続いたという話です。
渓谷から芝山遊園地へ、ポリパプ通りの移動
最初にポリパプの店ができたのは証心寺の上手と渓谷周辺でした。無等山は2013年に国立公園に指定されるほど自然環境が大切な山で、証心寺一帯が整備される中で、渓谷の中の食堂は下手の商店街へ移ったと伝えられています。 その結果、いまポリパプの店は大きく二か所に集まっています。証心寺渓谷の入口周辺と、東区芝山洞の芝山遊園地一帯です。無等山観光ホテルの近くにもポリパプ通りがあると紹介されています。登山の前後に立ち寄りやすい場所なので、今も週末になると登山服姿の客が多く見られます。登山をしなくても市内からバスやタクシーで簡単に行けるので、無等山へのお出かけを兼ねて食事に訪れる人も多いです。
20種類のおかずが並ぶ膳
無等山ポリパプの魅力はたっぷりの膳です。デジタル光州文化大典によると、季節によって少しずつ変わりますが、ワラビ・里芋の茎・豆もやし・ほうれん草といった旬のナムル、白菜キムチとヨルムキムチ、カタクチイワシの塩辛とトハジョッ(川エビの塩辛)、大根葉・白菜の葉・サンチュなどの包み野菜、そしてテンジャンチゲが一緒に出ます。そこにテンジャン、コチュジャン、サムジャン、ごま油が添えられます。 天地日報は、豆もやし、ナスのナムル、ワラビのナムル、大根の和え物、きのこ炒め、ヒジキのナムルといった季節のおかずとテンジャンのスープが出て、サンチュやヨルム(若大根)の葉で包んで食べると紹介しています。全部合わせると20種類前後になることが多いです。おかずのほとんどが刺激の少ないナムルなので、麦ご飯と一緒に食べるとお腹にやさしいと評判。光州が「南道料理の本場」と呼ばれる理由を素朴な形で見せてくれる食卓です。
混ぜて、さらに包む光州流の食べ方
食べ方は2段階です。まず大きな器に麦ご飯を入れ、ナムルとおかず、コチュジャン、ごま油を好みで入れて混ぜます。次に混ぜたご飯をヨルムの葉やサンチュなどの包み野菜でさらに包み、テンジャンやサムジャンをのせて食べます。デジタル光州文化大典は、混ぜたご飯をさらに包んで食べるこの方法を無等山ポリパプの特徴に挙げ、揚げ物をサンチュで包んで食べる光州のサンチュティギムと並ぶ、光州独特の「包む料理」の文化だと評価しています。 同じ資料は、カリウムの多いナムルや葉野菜を一緒に食べると、しょっぱく辛い混ぜご飯から入るナトリウムの排出を助け、食物繊維も十分にとれると説明しています。テンジャンチゲをひとさじずつ添えると香ばしさが増します。コチュジャンを入れすぎるとナムルの味が隠れてしまうので、最初は少なめにして味を見ながら足しましょう。
光州を代表する理由と訪問のコツ
無等山ポリパプは2003年、光州市が選んだ「光州5味」の一つに選ばれました。報道では、キムチ、ポリパプ、トッカルビ、韓定食、オリタン(鴨のスープ)が光州5味として紹介されています。2019年5月には光州の代表料理7品の一つにあらためて選ばれ、大衆性部門の未来戦略料理として育成することになりました。春の端境期(ポリッコゲ)を経験した世代が山で麦ご飯を求めた郷愁が、この料理の土台になったという見方もあります。 訪問のコツもあります。週末の昼、特に登山客が下山してくる時間帯は混むので、少し早めに行くのがおすすめです。登山も楽しむなら、証心寺側の登山道を往復してから食事をする流れが自然です。光州のほかの名物、松汀トッカルビやオリタン、ユッチョンと組み合わせて光州グルメ旅を組むのもよいでしょう。