歴史
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済州・東門市場で買ったオメギトック · 写真: 3hrAgency / CC BY-SA 4.0 (Wikimedia Commons)

済州・東門市場で買ったオメギトック · 写真: 3hrAgency / CC BY-SA 4.0 (Wikimedia Commons)

韓国済州

済州のオメギトック:もとは酒を醸すためのモチアワの餅、穴あき餅からあんこ入りのお土産になるまで

済州の市場や空港でいちばんよく見かける餅、オメギトック。今はヨモギ生地にあんこを入れた甘い餅ですが、もとはモチアワで作り、オメギ酒を仕込むための酒餅でした。名前の意味と昔の作り方、オメギ酒、そして今のオメギトックの選び方までまとめました。

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オメギトックはもともと酒餅だった

オメギトックの「オメギ」は酒に関係する言葉です。毎日新聞(韓国)の記事によると、済州ではにごり酒を「オメギ酒」と呼び、この名前はにごり酒を醸す酒餅「オメギ」から来ています。つまりオメギトックは、最初からおやつではなく、オメギ酒を仕込むために作られた餅でした。 モチアワの粉で作った餅をそのまま酒造りに使えば「オメギスルトック」、水気を切って小豆やきな粉をまぶして食べれば「オメギトック」と呼び分けていました。酒を仕込んだ残りの餅の一部に粉をまぶして食べていたのが、今のオメギトックの原型というわけです。英語版ウィキペディアは、親が子どもの舌をやけどさせないよう、ゆでた餅に小豆の粉をまぶして与えたと説明しています。

モチアワの島、済州

オメギトックとオメギ酒の主な材料はモチアワでした。済州は火山島で水をためにくく、水田より畑作が中心で、米は貴重な穀物でした。英語版ウィキペディアによると、オメギトックはかつて済州でたくさんとれたモチアワで作られていました。オメギトックがアワの餅である理由はここにあります。 餅の使われ方も本土とは少し違いました。同じ資料は、済州では餅がおやつというより、クッ(巫俗儀礼)などの儀式で神にささげる供え物として主に使われたと説明しています。米の代わりにアワで餅を蒸し酒を醸した済州の暮らしが、オメギトックという名前の中に残っているのです。

真ん中をへこませた「穴あき餅」

昔のオメギトックは真ん中をへこませて作ったので「クモントック(穴あき餅)」とも呼ばれました。毎日新聞は、生地にむらなく火が通るよう真ん中に穴をあけて作ったことからこの名がついたと説明しています。 作り方は素朴です。モチアワを水に浸して粉にし、熱湯を注いでこね、小さくちぎって真ん中を押して形を作ります。これを沸騰した湯に入れてゆで、浮いてきたら引き上げて冷まします。そこに砂糖を少し混ぜた小豆の粉をまぶせばオメギトックの完成。もちもちして少しざらっとしたアワの食感とあっさりした小豆の粉が合わさる、今のお土産の餅とはかなり違う味です。西帰浦の城邑民俗村などでは、オメギ酒を仕込むための伝統的なオメギ餅の姿を見ることができます。

オメギ酒、無形文化財になった済州の酒

オメギトックの相方であるオメギ酒も、済州を代表する伝統酒です。西帰浦市の城邑民俗村に伝わる「城邑民俗村オメギ酒」は1990年5月に済州道無形文化財第3号に指定され、保存・伝承されています。このオメギ酒を醸す技能保有者は、2015年に大韓民国食品名人にも指定されました。 毎日新聞の記事によると、オメギ酒は初冬に一度仕込んでおけば、翌年の春まで続けて醸して飲めたそうです。モチアワで作った餅を麹と混ぜて発酵させたにごり酒こそがオメギ酒です。済州でオメギトックを買うなら、オメギ酒もあわせて味わって、二つがもともと一体だったことを感じてみるのもよいでしょう。城邑民俗村は、オメギ酒とともに済州の昔の草ぶき家やトットンといった暮らしの文化を見られる場所です。

今のオメギトックと選び方

今の済州でよく見るオメギトックは、昔の姿とはだいぶ違います。もち米の粉にヨモギを混ぜたもちもちの緑の生地に甘いあんこを入れ、外側に小豆の粉やナッツをまぶした形です。英語版ウィキペディアによると、オメギトックは2010年代初めに観光のお土産として人気が出て、今では済州の観光客がいちばんよく買うお土産の一つです。モチアワがあまり生産されなくなったため、市販品の多くにはアワが入っておらず、もち米とヨモギ、砂糖のおかげでよりもちもちして甘く、保存や配送もしやすくなりました。 昔の味に近い餅がほしいなら、原材料表示でモチアワが入っているか確かめてみましょう。済州市の東門市場のような在来市場の餅屋で手軽に買えます。保存方法や消費期限は店ごとに違うので、買う前に案内を確認しておくと安心です。

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