歴史
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赤く熟した大粒のナツメ · 写真: Choe Yongwoo / CC0 (Wikimedia Commons)

赤く熟した大粒のナツメ · 写真: Choe Yongwoo / CC0 (Wikimedia Commons)

韓国忠清北道 · 報恩

報恩のナツメ:「伏日に雨が降れば報恩の娘が泣く」と言われた里

俗離山のふもと、忠清北道の報恩は、かつて王に献上されたナツメで知られる町です。伏日の雨を心配した昔のことわざ、乾燥した薬材からシャキッとした生ナツメへ変わった2000年代以降の変化、天気で大きく揺れる収穫量、秋のナツメ祭りとおいしい楽しみ方をまとめました。

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俗離山のふもとのナツメの里

忠清北道の南部、俗離山国立公園を抱く報恩郡は、秋に赤く熟すナツメで知られる町です。郡や祭りの案内では、報恩のナツメを「昔から王に献上されてきた特産品」と紹介しています。 ただ、生産量だけを見ると、慶山・清道・軍威など慶尚北道の産地の占める割合が大きいのが実情です。それでも報恩がナツメの代名詞のように呼ばれるのには理由があります。韓国農村経済研究院の林業観測資料は、報恩は他の主産地と違って生ナツメとして売る割合が高く、その多くが直売で流通していると説明しています。干しナツメが中心のほかの産地とは性格が違うわけです。報道でも報恩は慶尚北道・慶山と並ぶナツメの主産地として挙げられます。

「伏日に雨が降れば報恩の娘が泣く」

報恩のナツメには面白いことわざがついて回ります。真夏の三伏のころに降る雨を「三伏雨」と呼びますが、全羅南道では農作物に良い雨として歓迎されたのに対し、忠清北道の報恩ではこの雨のせいでナツメが不作になるという言い伝えがあったそうです。そこから生まれたのが「伏日に雨が降れば報恩の娘が泣く」という言葉です。 ナツメの出来が一年の暮らしを左右していた時代、真夏の天気ひとつに村中がやきもきしていた様子が目に浮かびます。同じ雨に対して地域ごとに反応が正反対だったのも興味深いところです。このことわざは今も報恩のナツメを紹介する際によく引用されますが、後で見るように、天候に敏感なナツメ栽培の事情は今もあまり変わっていません。

干しナツメからシャキシャキの生ナツメへ

ナツメは長い間、乾燥させて使う実でした。参鶏湯や薬食に入れたり、漢方薬として煎じたりするのが一般的だったのです。2020年に韓国植物資源学会誌に載った論文は、そんなナツメが「2000年代に忠清北道の報恩を中心に生ナツメの栽培が始まったことで」生で食べる果物に変わったと説明しています。それ以来、ナツメは高収益作物として注目されてきました。 生ナツメは大きくてシャキッとしているほど高く売れるため、品種競争も激しくなっています。2025年の報道によると、報恩邑の農業者が開発した「テドンナツメ」は一粒約27.5g、糖度30.5ブリックスで、従来の「ボクジョ」(18.5g、27.6ブリックス)より大きく甘く、報恩郡農業技術センターが試験普及に乗り出しました。リンゴのようにかじるナツメが、報恩の新しい顔になったわけです。

天気に泣き笑いするナツメ畑

生ナツメは雨と暑さに特に敏感です。郡の資料を伝えた2025年の報道によると、報恩のナツメ生産量は2018〜2019年に2,600トンを超えていましたが、2022年は1,147トン、2023年は994トンまで落ち込み、ここ10年で最低となりました。高温などの気候の影響で実が割れる「裂果」が起きたことが原因とされています。 2025年は栽培面積640haで生ナツメ約1,982トンが見込まれ、前年より27%増えた豊作と評価されました。郡は苗木・支柱・肥料の購入費の半分を農家に補助する事業も行っています。毎年の作柄が地元のニュースになるほどで、「伏日の雨」のことわざに込められた心配は、形を変えて今も続いているといえます。

ナツメ祭りとおいしい楽しみ方

報恩ナツメ祭りは2007年から毎年開かれており、2026年は10月16日から25日まで報恩邑のペットゥル公園と俗離山一帯で開催予定です(入場無料)。ナツメや農特産物の販売所、公演、体験プログラムがそろいます。2025年の運営実績が認められ、2026年の忠清北道指定祭りで最優秀祭りに選ばれました。 生ナツメは洗ってそのままかじるのが一番おいしい食べ方です。シャキッとした食感とほのかな甘さが魅力です。乾燥ナツメはお茶にしたり、ナツメシロップにしておいたりして楽しめます。紅葉の季節に俗離山と法住寺を巡り、祭り会場で採れたてのナツメを一袋買って帰れば、報恩の秋をしっかり味わえます。

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