
華川のサンチョノ(ヤマメ) · 写真: MaedaAkihiko / CC BY-SA 4.0 (Wikimedia Commons)
華川のサンチョノ(ヤマメ):氷の上で釣ってその場で焼く冬の味
真冬、江原道華川の凍った華川川の上は、氷の穴をのぞき込む人々でいっぱいになります。海へ下らないマス「サンチョノ」とはどんな魚か、山あいの小さな郡の祭りがどうやって世界的な冬祭りになったのか、釣った魚をおいしく食べる方法までまとめました。
海へ下らなかったマス、サンチョノ
サンチョノはサケ科の淡水魚です。同じ種のサクラマスは川で生まれて海へ下って育ち、産卵のために戻ってきますが、そのうち海へ下らず川に残って育つ「陸封型」をサンチョノと呼びます。日本でいうヤマメです。海に行かないため、幼い頃の体の模様(パーマーク)が残っているのが特徴です。成魚は体長40cm前後になり、背は暗い青緑色で、体側に黒い斑点があります。 夏でも水温が20度を超えない澄んだ冷たい渓流に棲み、朝鮮半島、日本、サハリン、カムチャツカなどに分布します。きれいな水にしか棲まない魚なので山村の象徴のように思われていますが、今では自然の中で出会うのは簡単ではありません。祭りで出会うサンチョノのほとんどは養殖場で育てて放したものです。
氷上サッカーから始まった祭り
華川は江原道の北部、休戦ラインに近い山あいの郡です。週刊京郷によると、真冬の華川の氷は、装甲車を何台のせてもびくともしないほど厚く凍るといいます。昔は毎冬、村の若者たちが氷の上に集まってサッカーをしていて、これが祭りの種になったと伝えられています。 こうして2003年に第1回サンチョノ祭りが開かれ、初年だけで22万人が押し寄せました。その後も来場者は増え続け、華川郡は2005年ごろから毎年100万人以上が訪れる祭りになったとしています。2011年にはCNNが紹介した「冬の七不思議」にも名を連ねました。ただし2011年は口蹄疫、2021〜2022年は新型コロナで開催できず、2020年は暖かさと冬の雨で開幕が2度延期されました。
氷上釣りから素手づかみまで
祭りはふつう1月、凍りついた華川川一帯で開かれます。一番の目玉は氷上釣り。厚い氷に開けた穴ごとに人々が陣取り、短い竿を垂らしてサンチョノが食いつくのを待ちます。氷の上に無数の穴が並ぶ光景は、華川の冬を象徴する風景になりました。ルアー釣りのエリアも別に設けられます。 特に人気のある体験のひとつが素手づかみです。冷たい水を張ったエリアに入り、素手でサンチョノを捕まえるプログラムで、半ズボンと半袖で飛び込む参加者の姿が毎年ニュースになります。釣り道具は現地で借りたり買ったりでき、一部の体験は事前予約が必要なので、祭りの公式案内を確認してから行くのがおすすめです。氷の上はとても寒いので、防寒靴と手袋は必ず用意しましょう。
釣ったサンチョノはこう食べる
サンチョノ祭りの楽しみは釣って終わりではありません。報道によると、会場には焼き場と刺身センターが設けられ、自分で釣ったサンチョノをその場で味わえます。一番人気は塩焼き。下処理したサンチョノに塩を振り、炭火でこんがり焼くと、皮はパリッと、身は淡泊に仕上がります。マス類ならではの脂がほどよく、生臭さが少ないほうです。 刺身で食べたいなら刺身センターでさばいてもらいましょう。会場の食堂や郷土グルメ市場では、サンチョノの刺身丼、メウンタン(辛い魚鍋)、煮付け、フライ、さつま揚げ入りうどんなども売っています。華川郡は毎年試食会を開いてサンチョノ料理のメニューを改良しており、子ども向けのサンチョノカツやフライもあります。冷たい氷の上で体が冷え切った後に食べる熱々のメウンタンは、この祭りの隠れた名物とされています。
行く前に知っておきたいこと
祭りはふつう1月上旬〜中旬に始まり3週間ほど続きますが、氷の状態によって開幕が延期されたり日程が変わったりすることがあります。暖冬で延期された年もあるので、出発前に必ず華川郡の公式発表を確認してください。週末はとても混むので、平日の午前中に行くと比較的ゆったり釣り場を確保できます。 華川はサンチョノ以外にも冬の景色が見どころです。会場近くの華川の中心街には、毎冬サンチョノ形などの灯籠が通りを照らす「灯籠通り」が飾られ、氷上そりや雪そりなどの遊びも一緒に開かれます。祭りのない季節には、サンチョノが棲む澄んだ渓谷や破虜湖一帯を巡るのもいいでしょう。