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雉岳山の桃

雉岳山の桃

韓国江原道 · 原州

雉岳山の桃:「糖度最高」の一行がミームになった原州の夏の果物

電柱に掛かった横断幕の一行「雉岳山の桃、糖度最高」が全国的なミームになりました。その裏にある原州・雉岳山のふもとの桃づくり、地理的表示の登録、夏の祭り、桃で味付けした原州の料理まで紹介します。

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横断幕の一行から始まったミーム

数年前から、韓国のネットでは「雉岳山の桃、糖度最高」というフレーズが流行のように使われてきました。ウィキツリーの報道によると、始まりは道端の電柱に掛かった横断幕でした。連絡先も販売先もなく、この一行だけが書かれていたのですが、その堂々とした感じが笑いを誘って写真が広まり、塾の広告や商品のパロディ、服のデザインにまで使われるミームになりました。 面白いのは、この一行がただのハッタリではないことです。江原道原州の雉岳山のふもとは、実際に歴史ある桃の産地です。原州市は雉岳山の桃を地域の代表農産物として打ち出し、毎年桃祭りを開いています。ミームで名前を知った人が「本当にそんなに甘いのか」確かめに原州を訪れることも出てきました。

雉岳山のふもとが生む甘さ

雉岳山は原州の東にそびえる国立公園の山です。生産者は雉岳山の桃の甘さを、この山すその自然条件に求めます。水はけのよい傾斜地で育ち、夏の昼夜の寒暖差が大きく、日差しをたっぷり受けるというのです。昼に作った糖分を涼しい夜にあまり消費しないので果実に甘みがたまる、という説明は、ほかの山あいの果物産地でもよく聞く話です。 ウィキツリーによると、祭りに出す雉岳山の桃は平均13ブリックス以上の高糖度のものだけを出荷するそうです。2025年には原州市農業技術センターが、雉岳山の桃を通常の受取価格の2〜3倍の水準でソウルの大手百貨店に納品すると発表し、「全国最高値」として話題になりました。ただし「糖度最高」はあくまで産地の誇りを込めた表現なので、自分で食べて確かめるのも旅の楽しみです。

桃として初めて受けた地理的表示

雉岳山の桃は2010年に地理的表示第63号に登録されました。当時の報道によると、2008年12月の申請から1年3か月での登録で、桃としては全国初の地理的表示でした。一部の記事には登録年が2019年と書かれていますが、登録当時の記事を見ると2010年が正しいようです。 祭りの案内資料は、原州では1900年代から桃の栽培が始まり、300を超える農家が参加していると紹介しています。2010年の京郷新聞の報道には、原州・佳峴洞のチョムシル村が雉岳山の桃の主産地として登場します。同じ記事はその冬の厳しい寒さで果樹園の被害が大きかったと伝えており、寒い江原道で桃を育てるのが決して簡単ではないこともうかがえます。

夏の終わりの桃祭り

桃はおおむね6月から9月に収穫される夏の果物です。原州では毎年、夏が深まる頃に雉岳山桃祭りが開かれます。2025年の第24回は8月23〜24日に原州・明倫洞の「若者の広場」一帯で開かれ、19の作目班が参加して品評会や品種展示、農特産物の直売市、無料試食を行いました。 体験プログラムも素朴で楽しいものです。桃の皮を途切れないよう長くむく、手を使わずに早食い、腕相撲、○×クイズといった遊びが開かれたそうです。会場ではその年の採れたての桃を箱ごと買えるので、贈り物用に買って帰る人も多いです。日程は毎年少しずつ変わるので、原州市の発表を確認してから出かけましょう。

桃で味付けした原州の料理

原州では桃を果物として食べるだけではありません。ソウル新聞(2014年)は原州の代表料理のひとつとして「雉岳山桃プルコギ」を紹介しました。雉岳山産の桃の果汁で韓牛を漬け込み、炭火で焼いた料理で、果汁が肉をやわらかくし、ほのかな甘みを加えて、普通のプルコギとは違う味になるそうです。原州市内のいくつかの焼肉店でこのメニューを出しています。 同じ記事は、原州の桑の葉とファンテ(干しスケトウダラ)で炊いた桑の葉ファンテご飯や、味噌の代わりにコチュジャンを溶いて煮る原州式チュオタン(ドジョウ汁)も原州の味として挙げています。夏に原州を訪れるなら、昼は雉岳山の渓谷を歩き、夜は桃プルコギを食べ、帰り道に桃を一箱買うコースがおすすめです。熟した桃は傷みやすいので、常温に置いて1〜2日のうちに食べましょう。

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