
固城のホタテ
固城のホタテ:慈蘭湾が育てる韓国産ホタテの大半
冬の韓国で貝焼き店や蒸し料理に並ぶホタテ(カリビ)の多くは、慶尚南道固城の海から来ています。穏やかな慈蘭湾が養殖に向く理由、全国生産の大半を占める数字、秋のホタテ祭り、ホタテ蒸しのおいしい食べ方までまとめました。
穏やかな海、慈蘭湾
慶尚南道の固城郡は恐竜の足跡化石で知られる南海岸の町ですが、海に目を向けるとホタテ(カリビ)の町でもあります。その中心にある海が、固城の南に広がる慈蘭湾です。 報道によると、慈蘭湾は潮の流れが速くなく、ホタテの生育に適した水温と栄養分がそろっています。海に浮かべたロープにホタテを吊るして育てる養殖では、流れが穏やかでえさの豊富な海が有利です。また慈蘭湾は米国食品医薬品局(FDA)が指定した輸出用貝類の生産海域で、定期的に水質検査を受けています。きれいな海というイメージが固城ホタテの評判を支えているわけで、固城で「慈蘭湾ホタテ」という名前をよく見かけるのもそのためです。
数字で見る「ホタテの町」
韓国のホタテは大半が慶尚南道、その中でも固城で獲れます。2023年の報道は、固城郡が全国のホタテ生産量の約70%を占め、南海岸で単一の水産物から最大の所得を上げている地域だと伝えました。慶尚南道の資料を引用した2025年の報道によると、慶尚南道のホタテ生産量は2023年に1万1,525トン、2024年に8,642トンで全国の90%以上を占め、同じ年の別の報道はその割合を95%としています。集計範囲によって数字は少しずつ違います。 規模が大きくなるにつれて人手の問題も生まれました。固城郡は2023年、ホタテ養殖業に外国人の季節労働者を受け入れる事業を全国で初めて進めました。ロープに吊るしたホタテの手入れや収穫に、それだけ多くの人手がかかるということでもあります。
冷たい風が吹けばホタテの季節
ホタテがいちばんおいしいのは、冷たい風が吹く秋から冬です。郷土料理のコラムは、冷たい風が吹くころ貝類の身が詰まり、味が深くなると説明しています。韓国ではこの時期、海鮮料理店や水産市場にホタテが山積みになり、貝焼き店の盛り合わせにも欠かせません。 固城ではこの季節に合わせて、秋にホタテ水産物祭りを開いています。2023年の報道によると、第7回の祭りは10月20〜22日の3日間、南浦港一帯で「秋の夜、ホタテと一緒に思い出の中へ」をテーマに開かれ、コロナ禍以降4年ぶりに対面で行われました。来場者がホタテとカキを無料で味わえる催しもあり、2019年には約7万人が訪れたそうです。日程や内容は年ごとに変わるので、固城郡の発表を事前に確認してください。
ホタテ蒸しはこう食べる
固城のホタテをいちばんシンプルにおいしく味わう方法は蒸し料理です。コラムが紹介する方法はこうです。殻ごときれいに洗って砂抜きし、蒸し器にのせて熱い蒸気で火を通します。殻が開いて身がふっくら膨らんだときが食べごろで、蒸しすぎると身が縮んで硬くなるので気をつけましょう。 添えるものはお好みで。ニンニクや青陽唐辛子、長ネギをのせても、レモンを搾ってもよく、酢コチュジャンや醤油だれにつけて食べてもかまいません。セリを添えると香りが加わります。殻の中にたまった汁には甘みがあるので、そのまますくって飲むのがおすすめです。 食べ終わったら残ったスープは捨てないでください。カルグクスを入れて煮たり、ご飯を入れてお粥にしたりすれば、もう一品の料理になります。酒の肴にもご飯のおかずにもよく合います。
固城旅行とあわせて楽しむ
ホタテの季節に固城を訪ねるなら、南浦港一帯で開かれる秋の祭りの日程に合わせるのがいちばん簡単です。祭りの期間でなくても、固城の隣の統営・泗川の水産市場や南海岸各地の海鮮料理店で、冬の間ずっとホタテに出会えます。市場で買うときは、殻に触れると閉じようと動く新鮮なものを選びましょう。 海を眺めて一日を過ごしたいなら、固城の海岸にある床足岩(サンジョガム)一帯にも寄ってみてください。海辺の平らな岩に恐竜の足跡の化石が残っていて、子ども連れで歩くのにぴったりです。午前中に海岸で恐竜の足跡を探し、夕方にホタテ蒸しで締めくくれば、固城らしい一日になります。 近くの統営のカキと組み合わせて、南海岸の貝めぐりにするのも楽しいものです。冬の南海岸は貝やカキがいちばんおいしい季節です。