豆知識
牛カルビとタコが入ったカルナクタン · 写真: L. W. Yang / CC BY 2.0 (Wikimedia Commons)

牛カルビとタコが入ったカルナクタン · 写真: L. W. Yang / CC BY 2.0 (Wikimedia Commons)

韓国全羅南道 · 霊岩

霊岩・独川のカルナクタン:韓牛カルビと干潟のテナガダコをひとつの鍋に

全羅南道霊岩(ヨンアム)郡鶴山面の独川(トクチョン)には、テナガダコ料理店が並ぶ通りがあります。看板料理は牛カルビスープに活きダコを入れるカルナクタン。干潟のタコの集散地だった独川の歴史、カルナクタンとヨンポタンの違い、旬と注文のコツをまとめました。

6分で読める2

牛カルビとテナガダコが出会ったスープ

カルナクタンは、その名のとおり「カルビ」と「ナクチ(テナガダコ)」が入ったスープです。韓牛のカルビを長く煮込んで澄んだ濃いスープを取り、最後に活きダコを入れてさっと火を通します。陸の牛肉と干潟のタコがひとつの器に入っているので、全羅道では元気をつける滋養食として知られています。 カルナクタンの本場とされるのが、全羅南道霊岩郡鶴山面の独川里です。2002年のソウル新聞は、霊岩のさまざまな名物の中でも、全羅道の韓牛カルビと干潟のタコを一緒に入れたカルナクタンを「一番」に挙げました。今では光州やソウルでも食べられますが、カルナクタンといえば今も真っ先に独川を思い浮かべる人が多いのです。

干潟のタコの集散地、独川

独川はかつてタコが集まる集散地でした。独川と隣の美岩面(ミアムミョン)一帯の干潟でとれるタコが最高だという評判が広まり、タコ料理の店が自然と集まって通りになったといいます。独川には五日市が立ち、そのおかげで昔ながらのタコ料理店が今まで続いてきたといいます。 ところが海の風景は大きく変わりました。2021年の報道によると、栄山江の河口堰と錦湖防潮堤ができて海の水路が断たれ、独川と海南・山二面一帯の広い干潟は農地に変わりました。タコがとれた海は減りましたが、タコ料理の伝統は残り、週末には観光バスで訪れる人々でにぎわう食の通りになりました。2015年には文化体育観光部がここをタコ料理の名所通りに指定し、今は15軒ほどの専門店が営業していると紹介されています。

カルナクタンはどう生まれたのか

カルナクタンがいつ、誰によって初めて作られたのかは公式な記録では確かめられていません。独川の通りでは、1970年代から営業してきた老舗の一軒がカルナクタンとタコのヨンポタンの元祖として紹介されることがありますが、店や紹介メディアの話なので、そのまま事実と断定するのは難しいところです。 作り方から見ると、カルナクタンは全羅道のカルビタンに活きダコを加えた「アレンジ料理」に近いもの。2021年の報道は、じっくり煮込んだカルビタンに活きダコをさっとゆがいて入れる料理だと説明しています。牛を育てる田畑とタコがすむ干潟がすぐ隣り合う霊岩南西部の地形を思えば、二つの食材がひとつの鍋で出会ったのも自然なことだったのかもしれません。ただしこれも推測にすぎないので、由来は「正確な記録はない」と覚えておけば十分です。

ヨンポタンとカルナクタン、何が違う?

独川のタコ通りで、カルナクタンと並んでよく注文されるのがヨンポタンです。ヨンポタンは味付けをほとんどせず澄んだまま煮るタコのスープで、煮るとタコの足が蓮の花(ヨン)のように広がる様子から名付けられたという説明があります。セリや長ネギなどの野菜を入れて、すっきりあっさり仕上げるのが一般的です。 二つの違いはスープにあります。ヨンポタンがタコと野菜だけで澄んだ軽い味を出すのに対し、カルナクタンは長く煮込んだ牛カルビのスープがベースなので、ぐっと重厚で深い味わいです。タコそのものの味を楽しみたいならヨンポタン、しっかりお腹を満たしたいならカルナクタンが向いています。タコの酢の物(チョムチム)やタコのビビンバ、棒に巻いて焼くナクチホロンなどを出す店も多いので、大人数なら鍋をひとつ中心にして一、二品添えて頼んでみてください。

いつ行くと良いか、注文のコツ

テナガダコは6〜7月に産卵し、冷たい風が吹く秋に身が太るので、秋のタコは滋養食として人気が高いそうです。2021年の報道は、水温が20度前後に下がる10月にタコの採餌が活発になると説明しています。そのため独川のタコ通りを訪れるなら秋がよく勧められます。 カルナクタンは1人前から注文できる店が多く、カルビとタコを先に食べてから、スープにご飯を入れて食べる人が多いです。タコは煮すぎると硬くなるので、運ばれてきたらすぐに食べましょう。活きダコ料理は細かく切ってあっても吸盤がのどに張りつくことがあるので、よくかんで食べてください。タコの値段は季節や漁獲量で大きく変わるので、注文前に時価を確かめるとよいでしょう。霊岩の月出山(ウォルチュルサン)や木浦の旅と組み合わせて立ち寄りやすい通りです。

#カルナクタン#霊岩#独川テナガダコ通り#テナガダコ#ヨンポタン
霊岩・独川のカルナクタン:韓牛カルビと干潟のテナガダコをひとつの鍋に | TastyLog