
野菜たっぷりのラーメンサラダ · 写真: Tobosha / Public domain (Wikimedia Commons)
ラーメンサラダ:1985年に札幌のビアホールで生まれた、北海道居酒屋の定番
冷やしたラーメンの麺に野菜をたっぷりのせ、ドレッシングをかけたラーメンサラダは、北海道の人にとって居酒屋や給食、惣菜売り場でおなじみの一品です。札幌で始まった経緯と冷やし中華との違い、食べ方をまとめました。
ラーメンか、サラダか
ラーメンサラダは、その名のとおりラーメンの麺とサラダを組み合わせた、北海道発祥の冷たい料理です。ゆでて冷やしたラーメンの麺にレタスやトマト、キュウリなどの野菜をたっぷりのせ、ドレッシングをかけて出します。 見た目は夏の麺料理の冷やし中華に似ていますが、野菜の量がずっと多いため、北海道ではラーメンではなく「サラダ」として食べられています。居酒屋のメニューでも麺類ではなくサラダの欄に載っていることがよくあります。北海道の居酒屋の定番であるだけでなく、家庭でも作られ、小中学校の給食にもよく登場する、道民にとってごく日常的な料理です。
1985年、札幌のビアホールで
通説では、1985年に札幌中心部の老舗ホテルのビアホールで「夏の名物料理」として考案されたのが始まりとされ、味の決め手はホテル特製のオリジナルドレッシングだったと紹介されています。北海道新聞もラーメンサラダを「札幌の名門ホテルで約40年前に誕生した一品」として取り上げています。ただ発祥には異説もあり、「有力な説」として紹介する資料が多くあります。 最初は刺身に使う舟形の器(舟盛り)で出していたと伝えられ、地元紙の記事にも舟盛りで再現したラーメンサラダが載っています。底がすのこ状の器なので、野菜から出る水分が切れて麺が水っぽくならなかったという説明もあります。
冷やし中華と何が違うのか
ラーメンサラダと冷やし中華は、どちらも冷たい麺に具をのせる点は似ていますが、主役が違います。冷やし中華は麺が主役で、錦糸卵やハム、キュウリをきれいに並べた一食の料理。一方ラーメンサラダは野菜が主役で、麺はサラダの具材の一つに近い存在です。 既製品がなかった頃は、家庭でラーメンの麺をゆでて冷やし、冷やし中華のタレとマヨネーズで和えて野菜サラダを加えるのが主流だったそうです。今は手軽に作れるチルドの麺や専用のタレも商品化されていて、北海道のスーパーの惣菜コーナーでは出来上がったラーメンサラダをよく見かけます。北海道新聞は、登別の製麺業者の仕掛けが広まりの一因になったと伝えています。
北海道の日常にあるラーメンサラダ
ラーメンサラダがここまで広まった背景には、北海道がラーメンの土地であることもあります。札幌味噌ラーメンで知られるこの地域では、ラーメンの麺はいつも身近な食材で、その麺を夏にも軽く食べる方法としてラーメンサラダが定着しました。 今では元祖とされるビアホールだけでなく、北海道各地の居酒屋やレストランがそれぞれのラーメンサラダを出しています。給食で食べて育った世代も多く、スーパーの惣菜売り場にもいつも並んでいて、北海道らしさの強いメニューになりました。決まった形がなく、具やドレッシングを自由に変えられる「自由さ」も長く愛される理由に挙げられています。
注文と食べ方のコツ
北海道の居酒屋でラーメンサラダは、たいてい大皿で出てきてみんなで取り分けるメニューです。ビールと一緒に最初の一品として頼むのにぴったりで、脂っこい串焼きや揚げ物の合間に口をさっぱりさせる役目もあります。少人数なら小さいサイズがあるか聞いてみましょう。 ドレッシングはごまだれやしょうゆ味など店ごとに違い、のせる具も海鮮やコーン、ハムなどさまざまです。出てきたらすぐに麺と野菜を下からよく混ぜ、ドレッシングを全体になじませてから取り分けるのがおいしく食べるコツ。時間を置くと野菜から水分が出て味がぼやけるので、早めに食べるのがおすすめです。スーパーやコンビニの惣菜コーナーで買ってホテルで味わうのも、北海道らしい体験です。