豆知識
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宇都宮の水餃子 · 写真: Ocdp / CC0 (Wikimedia Commons)

宇都宮の水餃子 · 写真: Ocdp / CC0 (Wikimedia Commons)

日本日光

宇都宮餃子:日光への玄関口「餃子のまち」の始まりと食べ方

東京から日光へ向かうJRの乗り換え駅・宇都宮は、日本有数の餃子のまちです。戦争と引き揚げ者が残した味、1990年に市職員のアイデアから始まったまちおこし、焼き餃子・水餃子を選ぶ地元流の頼み方をまとめました。

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満洲から持ち帰られた味

宇都宮が餃子のまちになった背景には、戦争の歴史があります。宇都宮を拠点とした旧日本陸軍第14師団は、1940年8月以降、当時の満洲国に駐屯しました。戦後、宇都宮周辺出身の軍人や移住者が引き揚げてくる際に、現地で覚えた満洲の餃子の製法を持ち帰って広めたとされています。 こうして餃子は宇都宮の人々の暮らしの味になりました。ただし、すぐに「名物」として知られたわけではありません。長いあいだ餃子は地元の人が好んで食べる身近な料理にすぎず、それをまちの顔として打ち出したのは、数十年後の1990年のことでした。

1990年、統計の一行から始まったまちおこし

きっかけは思いがけない事故でした。1989年、宇都宮西部の大谷石採掘場で落盤事故が起き、観光客が激減しました。宇都宮市観光課の職員が、総務庁統計局の『家計調査年報』で同市の餃子購入額が1987年の調査開始以来常に上位だったことに注目し、餃子によるまちおこしを提案したのです。 1991年には市内の餃子店が集まって団体をつくり、行政と協力してさまざまな企画を打ち出しました。1990年代初めにはJR宇都宮駅前に、地元産の大谷石で作られた「餃子像」が設置されました。ビーナスが餃子の皮に包まれた姿のオブジェで、2008年の移転作業中に転倒して割れましたが、修復されて西口バスターミナル前に移されています。

浜松との「餃子日本一」争い

家計調査の統計は、その後宇都宮の誇りであり、競争の舞台にもなりました。静岡県浜松市も餃子で有名なまちで、両市の餃子購入額の順位は毎年話題になります。2009年の調査では両市がほぼ同額で首位を争い、2011年には浜松市が宇都宮市を上回りました。2021〜2022年には宮崎市が首位に立つなど、ライバルも増えています。 順位は年ごとに変わり、集計の仕方によっても違うため、どちらが「本当の日本一」かよりも、二つのまちが互いに刺激し合いながら餃子文化を育ててきたことのほうが面白いところです。浜松餃子は円形に焼いて真ん中にもやしを添えるスタイルで知られているので、食べ比べてみるのも日本旅行の小さな楽しみです。

焼きだけじゃない:宇都宮流の頼み方

宇都宮市内には、餃子専門店と餃子を出す飲食店が合わせて約300軒あるといわれます。資料によれば一人前は200〜300円程度が一般的で、手頃なため学生の間食としても親しまれています。 ここの楽しさは、同じ餃子をいろいろな食べ方で味わえることです。焼き餃子、水餃子、揚げ餃子、スープ餃子などを店ごとにさまざまに出しているので、何種類かまとめて頼んで食べ比べる人も多くいます。水餃子は、ほとんどの店でゆでた餃子をお湯やスープを張った器に入れて出し、客がラー油、醤油、胡椒などで好みの味に調えます。酢だけで食べるスタイルが「宇都宮スタイル」と言われることもあるので、一皿くらいは酢だけで味わってみるのもおすすめです。

日光旅行と組み合わせて楽しむ

東京からJRで日光へ行く場合、宇都宮駅でJR日光線に乗り換えるのが代表的なルートなので、行き帰りに餃子を味わうのにぴったりです。駅周辺や市の中心街に餃子店が集まっていて、短い乗り換え時間でも立ち寄りやすいのが魅力です。 秋に訪れるなら、毎年11月初旬の土日に開かれる「宇都宮餃子祭り」を狙うのもよいでしょう。協賛店が屋台を出して餃子を振る舞い、宇都宮は「ジャズのまち」でもあるため会場ではジャズ演奏も行われます。価格は当初1皿100円でしたが、2022年から200円になりました。また宇都宮駅は駅弁発祥の地とされ、それにちなんで企画された餃子の駅弁も今も数量限定で販売されています。

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