歴史
唐辛子入りのひき肉とニラをたっぷりのせた台湾ラーメン · 写真: gtknj / CC BY 2.0 (Wikimedia Commons)

唐辛子入りのひき肉とニラをたっぷりのせた台湾ラーメン · 写真: gtknj / CC BY 2.0 (Wikimedia Commons)

日本名古屋

台湾ラーメン:台湾にはない、名古屋生まれの激辛ラーメン

名前は「台湾ラーメン」でも、ふるさとは名古屋。1971年に名古屋の台湾料理店で生まれ、市内のラーメン店の半数以上に広がった激辛ラーメンの由来と特徴、「アメリカン・イタリアン」の頼み方までまとめました。

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名前は台湾、ふるさとは名古屋

名古屋の名物料理「名古屋めし」の中で、辛さで名高いのが台湾ラーメンです。名前だけ聞くと台湾から来た料理のようですが、実際は名古屋生まれの日本のラーメンの一種。台湾を旅して「台湾ラーメン」を探しても同じものにはなかなか出会えない、といわれるのはそのためです。 日本語版ウィキペディアによると、台湾ラーメンは台湾料理をルーツにもつ日本の麺料理で、名古屋めしの一つに数えられます。唐辛子をたっぷり使ったひき肉炒めを醤油味のラーメンにのせるのが基本の姿です。台湾出身の料理人が故郷の味を思い浮かべてつくった料理が名古屋の人の好みに合わせて変わり、今では名古屋を代表する味の一つになりました。

1971年、今池の台湾料理店で

日本語版ウィキペディアによると、台湾ラーメンは名古屋市千種区今池の台湾料理店で1971年に出されたのが始まりとされています。中日新聞も、台湾出身の店主が母国の料理「担仔麺」をアレンジしたのがルーツだと伝えています。担仔麺は台湾・台南発祥の小ぶりな麺料理で、本場のものはあっさりしたスープで辛みがありません。 誕生の経緯は資料によって少し異なります。もとは従業員のまかないだったという説が広く知られる一方、最初から売るつもりで作ったという話も伝わっています。いずれにせよ、辛くなかった麺に唐辛子をたっぷり加えたことが、名古屋の台湾ラーメンの出発点です。

何が入って、どんな味か

日本語版ウィキペディアがまとめた基本の構成はこうです。スープは鶏ガラベースの醤油味、麺は細麺で、その上に唐辛子とニンニクで炒めた挽き肉をのせ、もやしとニラを添えます。写真のように、スープを覆うほどの赤い挽き肉と緑のニラの対比が特徴です。 味の中心は、挽き肉から広がる辛さとニンニクの香り。食べ進めるうちに肉の味がスープに溶け出して、どんどん辛く濃くなるので、最初の一口と最後の一口ではかなり違います。辛い料理に慣れた韓国の旅行者でも、唐辛子のかけらがそのまま当たる鋭い辛さは想像以上かもしれません。水を手元に置いて召し上がってください。

名古屋中に広がった「台湾ミンチ」

台湾ラーメンが人気になると、ほかの店もすぐに出し始めました。日本語版ウィキペディアによると、2000年の調査では名古屋市内のラーメン専門店約380店のうち200店以上が台湾ラーメンをメニューに載せていました。町の中華料理店でもよく見かけるメニューです。 唐辛子とニンニクで炒めた挽き肉は「台湾ミンチ」と呼ばれ、台湾カレーや、きしめんにのせた「台湾きしめん」などにも広がりました。台湾ラーメンをまねる中で生まれた「台湾まぜそば」は、スープのない太麺に台湾ミンチや卵黄、ねぎなどを混ぜて食べる料理で、今では全国で見られます。同じ肉味噌が姿を変えながら、名古屋の辛い系譜を受け継いでいます。

「アメリカン」「イタリアン」で辛さを選ぶ

名古屋で台湾ラーメンを注文するときに知っておくと面白い言葉があります。一部の店では辛さをコーヒーにたとえて「アメリカン」「イタリアン」と呼びます。薄いアメリカンコーヒーのように「アメリカン」は辛さ控えめ、濃いエスプレッソを思わせる「イタリアン」は普通よりずっと辛くしたもので、普通の約2倍の辛さと紹介する資料もあります。 ただし、すべての店で使う言い方ではなく、辛さも店ごとに違います。「アメリカンでも十分辛い」という声が多いので、初めてなら控えめから始めるのが安心です。スープがはねやすいので明るい色の服は要注意。今池や名古屋駅周辺の中華料理店で、台湾まぜそばと食べ比べるのもおすすめです。

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