歴史
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高山で味わう飛騨牛のにぎり · 写真: Miyuki Meinaka / CC BY-SA 4.0 (Wikimedia Commons)

高山で味わう飛騨牛のにぎり · 写真: Miyuki Meinaka / CC BY-SA 4.0 (Wikimedia Commons)

日本高山

飛騨牛:「飛騨牛の父」安福号から高山の古い町並のにぎりまで

高山の古い町並を歩くと、あちこちで飛騨牛の串焼きやにぎりが目に入ります。「飛騨牛」を名乗るための条件、一頭の種雄牛がブランドを築いた物語、高山での楽しみ方までまとめました。

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「飛騨牛」を名乗る条件

飛騨牛は岐阜県を代表する黒毛和牛のブランドで、農林水産省の地理的表示(GI)に登録されています。登録の明細書によると、飛騨牛を名乗るには、飼養期間が最も長い場所が岐阜県であること、「飛騨牛銘柄推進協議会」に登録された生産者が14か月以上肥育した黒毛和種であること、そして定められた肉質の基準を満たすことが必要です。 面白いのは、生産地の範囲が「飛騨地方」ではなく岐阜県全体だという点です。名前は高山のある県北部の飛騨地方に由来しますが、1988年に協議会が発足して「飛騨牛」が県統一銘柄に決まりました。現在は年間約1万頭が飛騨牛に認定され、2007年6月には地域団体商標にも登録されています。

役牛から肉牛へ

飛騨牛の歴史は意外に新しいものです。明細書によると、かつて日本の牛は田畑を耕し荷を運ぶ役牛でしたが、農業や輸送の機械化、食文化の変化によって次第に肉用牛へ転換されてきました。岐阜県でも昭和20年代に集団的改良が始まり、兵庫の田尻系、広島の深川系、岡山の中屋系などが導入されました。 それまで県内の牛は地域ごとにさまざまな名称で呼ばれていました。昭和50年代初頭から、系統の固定と肉質の安定を目指す改良とともに銘柄化の動きが活発になり、昭和54年(1979年)には岐阜牛(のちの飛騨牛)系統固定推進事業が始まりました。

「飛騨牛の父」安福号

飛騨牛の物語の主人公は、一頭の種雄牛です。明細書によると、昭和56年(1981年)に兵庫県から岐阜県畜産研究所へ種雄牛「安福号」が導入され、その産子が良好な産肉成績を出したことから、以後、安福号とその血統を中心に繁殖・肥育が進められました。 安福号の産子は上物率が高く全国から注目され、岐阜県の子牛価格は全国一の高値で取引されました。県内の共進会でも上位を独占し、産子数は平成3年度に約2万5千頭にのぼりました。今も安福号の血を引く多くの種雄牛が県内で活躍しており、安福号は「飛騨牛の父」と呼ばれ、ブランド確立の立役者とされています。

高山での味わい方

高山の古い町並(三町一帯)は、飛騨牛を気軽に味わうのにぴったりの場所です。岐阜県観光連盟の観光サイトは、食べ歩きメニューとして手焼きせんべいにのせた飛騨牛にぎり、飛騨牛の串、牛肉を巻いたスティックにぎりなどを紹介しています。写真のように薄切りの飛騨牛をシャリにのせ、ねぎや生姜を添えたにぎりは、口の中で脂がとろける味わいを一口で楽しめると人気です。 しっかり食べたいなら、食事処でステーキやすき焼きを選ぶか、飛騨の朝食の定番・朴葉味噌に飛騨牛をのせて焼いてみてください。枯れた朴葉の上で味噌とともに焼ける肉は、飛騨らしい組み合わせです。

指定店の表示と知っておきたいこと

飛騨牛を選ぶなら「指定店」制度を知っておくと便利です。明細書によると、平成元年度に飛騨牛販売指定店制度、平成2年度に料理指定店制度が導入され、令和4年1月末時点で販売指定店は168店、料理指定店は193店、海外推奨店は59店舗でした。店頭やメニューで指定店の表示を確かめれば安心です。 明細書は、飛騨牛が全国和牛能力共進会で2大会連続の最優秀枝肉賞を受賞したことも紹介しています。値段は高めなので、古い町並ではにぎり1〜2貫や串1本で味見をし、夜は食事処で部位や量を選んでみてください。町並の食べ歩きの店は夕方早めに閉まるところもあるので、散策は昼間がおすすめです。

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