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いきなり団子 · 写真: Hykw-a4 at Japanese Wikipedia / CC BY-SA 3.0 (Wikimedia Commons)

いきなり団子 · 写真: Hykw-a4 at Japanese Wikipedia / CC BY-SA 3.0 (Wikimedia Commons)

日本熊本

いきなり団子:さつまいもとあんを包んで蒸す熊本の素朴なおやつ

厚めに切ったさつまいもとあんを薄い生地で包んで蒸したいきなり団子は、熊本の人が真っ先に挙げるおやつです。「いきなり」という名前の意味と、農家のおやつから土産物になるまでの話をまとめました。

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「いきなり」ってどういう意味?

いきなり団子は、輪切りのさつまいもとあんを小麦粉の生地で包んで蒸した熊本の郷土菓子です。標準語の「いきなり」は「突然」という意味ですが、農林水産省「うちの郷土料理」によると、熊本弁では「簡単・手早く・すぐに」という意味で、短時間で作れて急な来客にもすぐ出せることから名付けられたといわれています。 日本語版ウィキペディアにはほかの説もあります。生のさつまいもを生地で「いきなり」包んで蒸す作り方から来たという説、熊本の一部地域で片付けが苦手な人を「いきなりな人」と呼んだことから「ざっとしている」という意味になったという説です。どの説でも、飾らず手軽に作れるおやつという点は同じです。

火山灰の土地が育てたさつまいも

いきなり団子のルーツには熊本の土地があります。農林水産省の資料によると、阿蘇山麓は火山灰の影響でさつまいもの栽培が盛んで、菊池平野や熊本平野の農家が秋のさつまいも収穫の合間に食べるおやつとして作っていたのが始まりとされます。日本語版ウィキペディアは大津地域も挙げています。 米が貴重だった時代には、生地は小麦粉だけで作っていたそうです。そのため、いきなり団子はもともとさつまいもの味が主役の、素朴でお腹を満たすおやつでした。日本語版ウィキペディアは、専門店ではなく一般家庭で伝統的に作られ続けてきた、菓子としては珍しい歴史を持つと説明しています。さつまいもの旬の秋になると、家々で蒸されてきた懐かしい味です。

作り方とあんの登場

作り方は名前のとおり簡単です。さつまいもを厚めの輪切りにしてあんをのせ、小麦粉やだんご粉、砂糖、塩で作った生地で包んで蒸し器で蒸します。生地が薄いので蒸し上がるとさつまいもとあんが透けて見え、ひと口かじればほくほくのさつまいも、甘いあん、もちっとした生地が一度に味わえます。 はじめはさつまいもだけでしたが、農林水産省の資料によると数十年前から小豆あんを入れるようになり、今はこちらが主流。日本語版ウィキペディアはその時期を昭和時代ごろとしています。甘さがやさしいので、お茶菓子や子どものおやつにも向くと農林水産省は紹介しています。地域の料理教室でもよく作られ、学校給食のデザートに出ることもあります。

広がるバリエーション

いきなり団子は今も進化を続けています。農林水産省の資料によると、近年は生地によもぎや黒砂糖を混ぜたもの、紫芋や栗、くるみを使ったものなど種類が増えています。白い生地、緑のよもぎ生地、茶色の黒糖生地を並べて売る店も見かけます。 保存技術の発達で、真空パックや冷凍の商品も売られています。日本語版ウィキペディアは、冷凍品を半解凍で食べる「冷やしいきなり団子」もあると紹介しています。隣の福岡県筑後地方にはほぼ同じ形の「いきなり饅頭」があり、大牟田市などで土産物として扱われているそうです。さつまいもとあんを包んで蒸す素朴な発想が、九州のあちこちで愛されているのです。

おいしく食べるコツと買える場所

いきなり団子は蒸したての温かいうちに食べるのが基本で、農林水産省の資料もできたての温かいものを食べるのが基本としています。時間がたつと生地がかたくなるので、お土産に買ったものは電子レンジや蒸し器で軽く温めると、もちもち感がよみがえります。 今は専門店や和菓子店、露店などで売られており、熊本市内や観光地、駅や空港の土産物売り場で手軽に出会えます。熊本土産として全国に知られ、熊本城や阿蘇の観光のついでに一つ買って、歩きながら食べるのにちょうどいい大きさ。さつまいもが厚く入っていて意外とお腹にたまるので、軽い昼食代わりにもなります。

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