歴史
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城下かれいの刺身 · 写真: Utan506 / CC BY-SA 4.0 (Wikimedia Commons)

城下かれいの刺身 · 写真: Utan506 / CC BY-SA 4.0 (Wikimedia Commons)

日本別府

城下かれい:別府のとなり、日出城の下の海で育つ「殿様魚」

別府に隣接する日出町の城跡の下の海では、海底から真水が湧き、そこで育つマコガレイを「城下かれい」と呼びます。江戸時代に将軍家へ献上されたというこの魚の由来と旬、食べ方をまとめました。

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城下かれいとは

城下かれいは、大分県速見郡日出町の沖でとれるマコガレイのブランド名です。日出町は別府市のすぐ北東、同じ別府湾に面した小さな町で、別府旅行の途中に立ち寄りやすい場所です。 マコガレイは日本の沿岸に広くすむ身近なカレイですが、日出でとれるものは肉厚で頭が小さく、体が丸みを帯びているのが特徴とされます。生の身が真っ白でつやがあるのも自慢です。正式な表記は「城下かれい」で、「かれい」はひらがなです。

名前の秘密:城の下の海に湧く真水

「城下」は日出城の下の海でとれることから付いた名前です。日出城は1602年に初代藩主・木下延俊が築いた城で、3代藩主が中国の古典『淮南子』から取って「暘谷城」と名付けたと伝えられています。 この海の底、城の石垣の下からは真水が湧き出しています。「おおいた遺産」の紹介によると、湧き出す場所は岸から30mほど沖の水深3m近いところです。この真水が海水の塩分を薄めて海藻やプランクトンを育み、それを求めて集まる小エビを餌に城下かれいが育ちます。そのため泥臭さがなく、淡白で上品な味になるといわれます。

江戸時代の「殿様魚」

江戸時代、城下かれいは庶民は口にできず殿様だけが食べられる魚だったため「殿様魚」と呼ばれたと伝えられます。ただし庶民が食べるのを禁じたというより、貴重で高価なため手に入りにくかったからだという説もあり、資料によって説明が少し異なります。 将軍家にも献上されており、通常は参勤交代の際に干物を献上し、閏年には多くの費用をかけて生きたまま江戸へ運んだという話が残っています。近代に入ると、1937年に美食家の木下謙次郎が日本の名物料理の一つとして称賛し、俳人・高浜虚子は日出で「海中に真清水湧きて魚育つ」と詠み、城下海岸にはその句碑が建てられています。

旬と食べ方:梅酢で味わう刺身

城下かれいの漁は毎年4月に始まり、5月には「城下かれい祭り」が開かれます。4〜9月ごろが食べごろで、とくに5〜7月が最もおいしいとされており、おおむね春から夏がシーズンです。 一番人気はやはり刺身。透き通った白身に弾力があり、臭みがなく上品な甘みがあります。地元では梅酢を使ったタレで食べることもあれば、かぼすと醤油を添えることもあります。ほかにも洗い、寿司、吸い物、天ぷら、唐揚げ、煮付けなどで味わいます。

どこで食べる?旅のヒント

城下かれいを味わうなら、日出町の日出城址周辺や海沿いの食事処を訪ねるのが確実です。別府市内の和食店でも、季節によってメニューに載せる店があります。城跡のそばに立てば、すぐ下がかれいの育つ海で、名前の意味を実感できます。 店で食べられる時期はおおむね4〜7月ごろですが店によって異なるので、事前に電話で確認するのがおすすめです。毎年5月の城下かれい祭りは人気が高く、競争率も高めです。ゴールデンウィークは観光客が増えて値段も上がりやすいので、その時期を外してランチ定食を出す店を狙うのも一つの方法です。

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