豆知識
かぼすの果実と断面 · 写真: B.K. Bullock / Public domain (Wikimedia Commons)

かぼすの果実と断面 · 写真: B.K. Bullock / Public domain (Wikimedia Commons)

日本湯布院

湯布院のある大分のかぼす:全国の9割以上を担う香酸かんきつ

大分の食卓では、刺身にも焼き魚にも、みそ汁にも焼酎にも緑のかんきつをきゅっと搾ります。全国の生産量の大半を大分が占めるかぼすの由来と旬、地元流の使い方、湯布院での出会い方をまとめました。

5分で読める0

かぼすとは

かぼすは、ゆずやすだちと同じく、そのまま食べるより果汁を搾って料理に香りと酸味を添える「香酸かんきつ」です。テニスボールより少し小ぶりで、緑色のうちに収穫して使います。熟すと黄色くなりますが、香りが一番よいのは緑の時期なので、主に緑色で出回ります。 かぼすは大分県を代表する特産品で、農林水産省の県の概要資料は、大分が全国の収穫量の9割以上を占め全国1位だと紹介しています。2018年の統計では全国5,460トンのうち5,400トンが大分産だったという資料もあります。日本で目にするかぼすは、ほぼすべて大分から来ているといっても過言ではありません。

臼杵に伝わる話と名前の謎

かぼす栽培の始まりについては、大分県臼杵市に伝わる話が有名です。江戸時代、宗源という医師が京都から苗木を持ち帰って植えたのが始まりだというものです。臼杵にはかつて樹齢200年といわれた古木があり、今も樹齢100年前後の古木が残っているそうです。DNA研究では、ゆずを一方の親とする日本原産の種と考えられています。 「かぼす」という名前の由来ははっきりしません。文献で確認できるのは第二次世界大戦後からで、江戸時代の文献にある「カブス」と結びつける説もありますが、それはダイダイのことだとする反論も多く、定説はありません。

旬:ハウス・露地・貯蔵で一年中

かぼすは栽培方法を分けて、ほぼ一年中出荷されています。ハウス栽培ものは3〜7月、露地栽培ものは8〜10月に出回り、10月中旬から2月にかけては貯蔵品が出荷されます。香りが強く果汁たっぷりの露地かぼすが出る晩夏から秋が、特に旬とされます。 主な産地は臼杵市、竹田市、豊後大野市、国東市など県内各地に広がっています。実がよくなる表年と少ない裏年が交互に来るため、出荷量が大きく変わることもあります。秋に大分を旅すると、直売所に緑のかぼすがネットや袋いっぱいに積まれた光景に出会えます。

大分流の使い方:何にでもひと搾り

かぼすの果汁は刺身や焼き魚の薬味、ポン酢、酢の物などに使います。大分ではそれにとどまらず、みそ汁や麺類、焼酎にも少し搾って香りを添えます。脂っこい料理に搾ると後味がさっぱりするので、大分の鶏料理や揚げ物にもよく合います。 養殖魚にも使われています。かぼすを混ぜた餌で育てた「かぼすブリ」「かぼすヒラメ」があり、身の変色や臭みを抑える効果があるとされています。搾るときは横半分に切り、切り口を下に向けて搾ると種が落ちにくくなります。ジュースやお菓子などの加工品も多く、お土産選びにも便利です。

湯布院の旅で出会うかぼす

湯布院をはじめ大分の温泉地の旅館や食事処では、刺身や焼き物の皿にかぼすが一切れ添えられて出てくることがよくあります。レモンのように使えばよいのですが、香りがやわらかく酸味がまろやかなので、最初は少しだけ搾って味を確かめてみてください。露地かぼすが出る晩夏から秋に訪れると、一番香りのよいかぼすを味わえます。 湯布院の通りの土産店や大分各地の直売所、駅・空港の売店では、生の果実のほか、かぼす果汁やポン酢、飲料、お菓子などの加工品も簡単に見つかります。「大分かぼす」は地域団体商標にも登録されています。かぼすをモチーフにした大分県のマスコット「カボたん」もあちこちに登場するので、商品の中で探してみるのも楽しいですよ。

#かぼす#大分の特産#香酸かんきつ#臼杵#湯布院
湯布院のある大分のかぼす:全国の9割以上を担う香酸かんきつ | TastyLog