豆知識
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鹿児島のきびなごの刺身 · 写真: naotakem from Kagoshima / CC BY 2.0 (Wikimedia Commons)

鹿児島のきびなごの刺身 · 写真: naotakem from Kagoshima / CC BY 2.0 (Wikimedia Commons)

日本鹿児島

鹿児島のきびなご刺身:手開きで菊花に盛り、酢味噌で味わう

銀色の帯をまとった指ほどの小魚・きびなごは、鹿児島の食卓に欠かせません。包丁ではなく手で開き、菊の花のように丸く盛り付け、醤油ではなく酢味噌で食べる鹿児島流の刺身をまとめました。

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きびなごはどんな魚?

きびなごは体長10cmほどのニシン科の小魚で、体に銀色の帯状の縞模様がくっきりと入っています。名前もこの縞模様から来ており、鹿児島など南部の方言で帯を「きび」、小魚を「なご」と呼ぶことから名付けられたといわれます。 鹿児島県は鹿児島湾、東シナ海、太平洋に囲まれた広い漁場を持ち、きびなごは郷土料理に欠かせない魚です。農林水産省「うちの郷土料理」にも「きびなごの刺身」が鹿児島の料理として載り、県内全域で伝承されている味として紹介されています。鹿児島県の観光サイトも、鹿児島を代表する魚介の一つに挙げています。

産地でしか味わえない理由

きびなごの代表的な産地は、鹿児島本土の西、東シナ海に浮かぶ甑島で、農林水産省の資料によると全国の水揚げ量の20%以上を占めます。種子島をはじめ県内各地でもとれます。 きびなごは身がやわらかく、鮮度が非常に早く落ちる魚です。そのため漁獲地以外で広く流通することは少なく、新鮮なきびなごが手に入る地域だからこそ刺身で食べられます。鹿児島県の観光サイトも「獲れたてのうちに味わう」ことをすすめています。鹿児島に来たらぜひ味わいたい「産地の味」といえます。

包丁を使わない手開きと菊花造り

きびなごの刺身は、包丁を使わず手で開く「手開き」が特徴です。頭を手で折り取り、腹に指を入れてわたを取りながら身を開き、尾の近くで背骨を折ってはがし取ります。背びれも取り、塩水でさっと洗って水気を拭けば下ごしらえは完了。身がやわらかいので、包丁より手のほうがきれいに開けるのです。 開いた身は半分にたたんだりくるりと巻いたりして、皿の中心から丸く広げるように盛り付けます。大輪の菊の花のように見えることから「菊花造り」と呼ばれます。銀色の縞が花びらのように輝いて見た目も華やかで、鹿児島ではもてなしの席によく出されます。

醤油ではなく酢味噌

鹿児島では、きびなごの刺身は醤油ではなく酢味噌で食べるのが一般的です。鹿児島県の観光サイトは甘めの味噌と辛子でつくる酢味噌を紹介し、鹿児島市の郷土料理レシピでは白みそ、酢、だし汁、砂糖、練りがらしを合わせてつくります。農林水産省のレシピのように麦みそを使う家庭もあります。 食べるときは、みょうが、ねぎ、かいわれ大根、大葉などの薬味を刺身で包み、酢味噌を少しつけます。甘酸っぱい味噌が、きびなごの香ばしい脂をすっきりまとめてくれます。しょうが醤油で食べることもあり、大根の千切りと酢味噌で和えた「味噌なます」にすることもあります。

旬とほかの料理、どこで食べる?

きびなごは一年を通じて水揚げされ、いつでも食べられます。鹿児島県の観光サイトは産卵期の春から初夏を旬とし、冬の身のしまったものも格別だとしています。農林水産省の資料は、春は子持ち、秋は脂がのって身がしまったものがとれると説明しています。資料によって強調点が少し違うので、季節ごとに違う味わいがあると考えるとよいでしょう。 刺身のほか塩焼き、唐揚げ、天ぷら、吸い物などでも食べ、甑島産のきびなごは薩摩川内市のご当地ラーメンのスープにも使われています。鹿児島市内の居酒屋や郷土料理店では菊花造りの刺身を気軽に注文できます。スーパーでは酢味噌付きの刺身パックも売られていて、宿で手軽に味わうのにも便利です。

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