
ホイアンで味わった卵とチリソースのバインミー · 写真: Mack Male / CC BY-SA 2.0 (Wikimedia Commons)
ホイアンのバインミー:同じバインミーなのになぜ「ホイアンの」と呼ばれるのか
ベトナム中どこでも売っているバインミーですが、ホイアンでは「ホイアンのバインミー」として別格に呼ばれます。薄くパリッとしたパン、店ごとに秘伝のソース、カオラウ・コムガーと組み合わせる食べ歩きプラン、旧市街での注文のコツまで、ホイアン版だけを集めました。
「ホイアンのバインミー」という呼び名がある理由
バインミー自体はベトナム全国どこでも食べられるパンですが、ベトナム観光総局はホイアンで必ず食べたい料理としてカオラウやコムガーと並べて「ホイアンのバインミー」を挙げ、今やそれ自体が「この土地の伝説」になったと紹介しています。ベトナム航空の旅行ガイドもホイアンのバインミーを旧市街を代表する屋台グルメとして取り上げています。 ホイアンのバインミーがほかの都市と違う点は、大きく三つにまとめられます。小ぶりで皮が薄く、ことのほかパリッとしたパン。店ごとに手作りするソース。そして一軒の中でも選べる多彩な具です。旧市街を歩けば路地ごとにバインミーの屋台や小さな店が続き、一日に2〜3軒を食べ比べる旅行者も珍しくありません。
薄くてパリパリのパンと、店ごとに違うソース
ホイアンのバインミーのパンは、小ぶりで皮が薄くパリッとしていて、中はふんわりしつつも詰まりすぎていないのが良いとされます。店によってはパンにバターを塗ってオーブンで焼き、こんがり色づけることも。注文すると炭火やオーブンでもう一度温めてくれる店が多く、受け取ったときのパリッという音からして違います。 味の決め手はソース。ホイアンのバインミー店の多くはソースを手作りしていて、甘酸っぱく少しピリ辛のチリソースが基本。店によっては代々伝わるという秘伝のソースや、卵で作るクリーミーなソースを出すところもあります。レシピはほとんど明かされないため、同じ具でも店ごとに味がはっきり違います。
何を挟む?ホイアン流の具
ベトナム観光総局が紹介するホイアンのバインミーの基本は、焼いた肉やソーセージ、または目玉焼きに、パテ、生野菜と酢漬け野菜、バター、甘いチリソースという組み合わせです。実際の店では選択肢はもっと広く、レバーパテ、チャーシュー(thịt xíu)のような味付け豚肉、ローストポーク、ハム、鶏肉、ツナ、目玉焼き、チーズまで、店ごとに個性ある具をそろえています。 いちばん無難なのは、いろいろな具を一度に挟む「タップカム(thập cẩm、ミックス)」。ベジタリアン用のバインミーを別に売る店も多く、きのこ、大豆ミート、バナナの花の和え物とピーナッツなどを挟んでくれます。最後にパクチー、キュウリ、千切りのパパイヤやニンジンが入って油っぽさを和らげます。この野菜の新鮮さも、ホイアンのバインミーの味を作る大切な要素です。
カオラウ・コムガーと組み合わせるホイアン食べ歩きプラン
ベトナム観光総局は、ホイアンで必ず食べたい料理としてバインミーとともにカオラウとコムガーを挙げています。三つとも旧市街の中を歩いて回れる範囲で見つかるので、一日の中で分けて食べるのにぴったりです。手に持って歩けるバインミーは朝食や午後のおやつに、座って食べるカオラウとコムガーは昼食・夕食に組み込むと、無理のない動線になります。 バインミー一つでも十分おなかは満たされるので、ほかの料理も味わいたいなら連れと一つを分け合うのも手です。旧市街は日が暮れるとランタンの下を散策する人で混み合うため、有名なバインミー店は比較的すいている午前中に立ち寄るほうがゆったりできます。パンは温めた直後がいちばんパリッとしているので、買ってすぐ食べられるよう散歩の途中に組み込んでおきましょう。
旧市街での注文のコツ
ホイアンのバインミー店は旧市街とその周辺、とくにチャンカオヴァン(Trần Cao Vân)、ハイバーチュン(Hai Bà Trưng)、チャンフー(Trần Phú)といった大通りやトゥボン川近くの路地に多く集まっています。朝食、昼食、おやつといつでも食べられ、紙袋に入れて歩きながら食べることも多いです。座席がない、または低い椅子が数脚だけという店も珍しくありません。 値段は店や具によって1万5千ドンから7万5千ドンほどまでさまざまで、2万〜4万ドンが最も多いとされます。初めてならいろいろな具を全部挟んだ「バインミー・タップカム(bánh mì thập cẩm)」を、ベジタリアンなら「バインミー・チャイ(bánh mì chay)」を探せばOKです。人気店は長い行列ができるので、朝のピークや昼どきを外すと待ち時間を減らせます。