豆知識
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具をのせて焼いたバインチャンヌン · 写真: Huutai11791 / CC BY-SA 3.0 (Wikimedia Commons)

具をのせて焼いたバインチャンヌン · 写真: Huutai11791 / CC BY-SA 3.0 (Wikimedia Commons)

ベトナムダラット

バインチャンヌン:ライスペーパーを炭火で焼くダラットの「ベトナム風ピザ」

普通は水で戻して春巻きを包むライスペーパーを、炭火の上でパリッと焼き、卵や干しエビ、ネギを塗り広げるダラットの夜のおやつ。由来の諸説、ダラット流の特徴、夜市での頼み方をまとめました。

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ライスペーパーを「焼く」という発想

バインチャン(bánh tráng)は、沸騰した湯の上にぴんと張った布に米粉の生地を薄くのばして蒸し、竹のすのこに並べて天日で干した薄い米の紙です。米粉が基本で、地域によってはキャッサバやトウモロコシ、緑豆の粉を混ぜたり、ゴマやココナッツ、ニンニクを加えたりもします。 日本の旅行者になじみがあるのは、水で軽く戻して揚げ春巻きや肉・野菜を包む食べ方でしょう。しかしベトナムには、同じライスペーパーを炭火でそのまま焼き、せんべいのようにパリパリにして食べる方法も昔からありました。バインチャンヌン(bánh tráng nướng)は文字どおり「焼いたライスペーパー」。そこに卵や具をのせ、一品のおやつに育てたのが今のダラット名物です。

どこで生まれたのか:資料によって違う

バインチャンヌンが生まれた正確な年や考案者は分かっていません。ベトナム語版ウィキペディアは、そのルーツを中南部のファンラン(ニントゥアン)周辺と結びつけ、のちにダラットやファンティエットへ広まり、サイゴンでもおなじみのおやつになったと記しています。ただしこの部分には詳しい出典がないため、「そう伝えられている」程度に受け止めるのがよいでしょう。 ダラット側の話はもう少し具体的です。ベトナムのニュースサイト、ベトナムネット(VietNamNet)は、ダラットのバインチャンヌンは最初、焼いたライスペーパーにネギ油(mỡ hành)を塗っただけの素朴なおやつだったが、屋台が客を呼ぼうと干し牛肉やパテ、チーズなどを少しずつ加え、今の姿になったと伝えています。ダラットは「元祖」というより「今の形を作った町」と考えるのが自然です。

ダラット流は何が違うのか

ダラットの屋台では、炭火の七輪にライスペーパーを1枚のせ、その上に卵を割り落としてスプーンで薄く塗り広げるところから始まります。うずらの卵を使う店も多くあります。そこに干しエビ、刻みネギ、ひき肉やパテ、干し牛肉、ソーセージ、裂いた鶏肉、揚げエシャロット、チーズなどを選んでのせます。 焦がさないよう生地を動かしながら焼き、卵が固まって縁がきつね色になったら、チリソースを線状にかけ、半分に折るか切り分けて渡してくれます。丸く広げた姿がイタリアのピザに似ているので現地でも「ベトナム風ピザ」と呼ばれますが、生地の代わりに紙のように薄い米の皮なので、かじるとパリッと砕ける食感はまったく別物です。

なぜダラットの夜に似合うのか

ダラットは標高およそ1,500mの高原都市で、蒸し暑い南部の町と違って夕方になると空気がひんやりします。炭火の七輪のそばに腰かけ、焼きたてのおやつを手に食べる光景が、この町には不思議なほど似合います。 ベトナムの国営英字紙ベトナムニュースは、バインチャンヌンをダラット夜市の定番であり、町なかの小さな店でも売られていると紹介し、ニャチャンやホーチミン市など全国各地でも人気だと付け加えています。今ではベトナムのどこでも見かける屋台おやつですが、旅行者が「ダラットに行ったら食べるもの」に挙げるのは、この町がその姿を作り広めた場所だからです。スアンフーン湖からダラット市場へ続く中心街一帯が代表的な屋台エリアです。

注文のコツと食べ方

屋台の前には具の種類を書いた板があることが多く、基本(卵・干しエビ・ネギ)にチーズやソーセージ、牛肉などを追加する形で選びます。言葉が通じなくても、材料を指させばたいてい分かってもらえます。辛くしたくなければ、ソースをかける前に唐辛子(ớt)抜きを身ぶりで伝えましょう。 受け取ったらすぐ食べるのが一番大事です。ライスペーパーは冷めるとしんなりし、卵が温かいうちがいちばん香ばしくパリッとしています。折って渡されたらクレープのように片手で、切って渡されたらピザのように食べればOK。値段は具によって変わるので、注文前に確認すると安心です。夜市では低い椅子に座って温かい飲み物を合わせる地元の人が多く、その隣で一緒に食べるのがいちばんダラットらしい体験です。

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バインチャンヌン:ライスペーパーを炭火で焼くダラットの「ベトナム風ピザ」 | TastyLog