
ラウガーラーエー
ラウガーラーエー:涼しいダラットの夜を温める香草「ラーエー」の鶏鍋
ダラットの夕食でいちばんよく勧められるのが、ラーエー(lá é)という香草をたっぷり入れた鶏鍋です。ラーエーとはどんな葉か、もともとどこの料理か、鍋に何が入りどう食べるのかをまとめました。
ラーエー(lá é)とはどんな葉?
ラウガーラーエー(lẩu gà lá é)は「ラーエーの葉を入れた鶏鍋」という意味で、主役は鶏よりもむしろラーエーという香草です。ラーエーはベトナム中南部の沿岸地方や中部高原(タイグエン)でよく食べられる葉野菜で、特にフーイエン地方でよく使われるといわれています。 ベトナムの日刊紙VnExpress(ヴイエンエクスプレス)の料理記事は、ラーエーを熱いスープにくぐらせるとピリッとしながらも香ばしい味が立つと説明し、色と香りが飛ばないようさっとくぐらせて引き上げるよう勧めています。ほかの現地資料も、その味をミントのように少し辛く爽やかな香りと表現しています。この香りが鍋全体に広がり、ふつうの鶏鍋とはっきり違う個性を生みます。学名や日本語の定訳は資料によって異なるため、ここでは現地名のまま「ラーエー」と呼びます。
フーイエンからダラットへ来た鍋
多くの旅行者はラウガーラーエーをダラット生まれの料理だと思っていますが、VnExpressは、この鍋がもともと中南部沿岸のフーイエン地方の名物で、ほかの地域へ広まったのちにダラットの有名料理になったと紹介しています。ラーエー自体がフーイエンをはじめ中南部や高原地帯の野菜なので、自然な話です。 ダラットでの人気も報道で確かめられます。ベトナムのニュースサイトZnews(ズィーニュース)は、ダラットを訪れる旅行者なら誰もが立ち寄る名物としてこの鍋を挙げています。現地の旅行資料によると、ダラット名物として定着したのはここ数年のことだそうです。一年中涼しく雨の夕方も多い高原の気候が、熱い鍋を囲んで香り高いスープをすするこの料理にぴったりだったわけです。
鍋に入るもの
ベースのスープは鶏ガラとキノコでとった、澄んであっさりした味です。そこにぶつ切りの鶏肉を入れますが、現地の記事は身がしこしこと締まっている点をこの鍋の魅力に挙げています。スープに酸味を加えるのは発酵させたタケノコのマンチュア(măng chua)で、辛みは唐辛子とラーエーが担います。 添えられる具はヒラタケなどのキノコや酸っぱいタケノコが定番で、店によっては鶏の砂肝やモツの炒め物が一緒に出ることもあります。ラーエーは皿に山盛りで別に出てくることが多く、食べる人が煮立った鍋に好きなだけ入れ、しんなりしたら引き上げて食べます。澄んだ鶏スープに酸味・辛み・ハーブの香りが重なる、日本の水炊きとはひと味違う鍋です。
食べ方:唐辛子と胡椒の塩につけて
ラウガーラーエーの鶏肉は、ふつうソースではなく、唐辛子と胡椒を混ぜたピリ辛の塩につけて食べます。VnExpressのレシピのように、ラーエーと青唐辛子をつぶして塩に混ぜることもあります。澄んだスープから引き上げた鶏肉に、塩気と刺激のある塩が触れると、肉の甘みがくっきりします。ライムが添えられていれば、塩に少し搾って混ぜる人も多くいます。 食べる順番に決まりはありませんが、まず鶏肉を引き上げて塩につけて食べ、ラーエーとタケノコを入れてスープを濃くしてから、スープをすくって飲む流れが自然です。現地の記事は、人々がずるずると音を立ててスープをすする様子をこの鍋の風景として描いています。ラーエーは長く煮ると香りが飛ぶので少しずつ入れるのがコツ。辛いのが苦手なら唐辛子を除き、塩を軽くつけるだけで十分です。
いつ、どこで、どう注文する?
ラウガーラーエーは一人より、2〜3人以上で囲む料理です。ふつうは鍋単位で注文し、人数に合わせてサイズを選びます。量の決め方は店ごとに異なります。注文時に人数を先に伝えると、ちょうどいいサイズを勧めてくれます。 この鍋は週末の夕方や、涼しい夜・雨の夜に特に客が集まるといわれています。ダラット中心街とその周辺の路地に鍋料理の店がいくつも集まっているので、グループなら週末は事前に席を確認すると安心です。残ったスープに麺やご飯を入れられるかは店ごとに違うので聞いてみましょう。昼はバインチャンヌン、夜はこの鍋でダラットの一日を締める旅行者も多いです。