豆知識
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セブ市の屋台に吊るされたプソ · 写真: Prussiakira / CC BY-SA 3.0 (Wikimedia Commons)

セブ市の屋台に吊るされたプソ · 写真: Prussiakira / CC BY-SA 3.0 (Wikimedia Commons)

フィリピンセブ

プソ(Puso):ヤシの葉で編んだ「吊るしご飯」、セブの人の手のひらの一食

セブの道端の炭火焼き屋台の前には、ヤシの葉で編んだ小さな袋がずらりと吊るされています。中身はご飯、これがプソです。名前の意味、スペイン人の記録に残る儀礼、開け方と食べ合わせをまとめました。

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袋の中のご飯、プソとは

プソ(Puso)は、若いヤシの葉で編んだ袋に米を入れ、湯で煮て炊いたご飯です。料理というより、米を包んで炊く方法に近いものです。袋が米をきつく締めるため、炊き上がると米粒がくっつき、お餅のようにしっかりした塊になります。 フィリピン英語では「ハンギングライス(hanging rice)」、つまり吊るしご飯と呼ばれます。屋台で袋の先を結んでずらりと吊るしておくからです。セブアノ語の「プソ」は「心臓」という意味で、出来上がりの形が心臓に似ているからだと説明されます。島ごとに呼び名が違い、イロイロ周辺のヒリガイノン語ではブグノイ、南部のイスラム教徒の地域ではタムと呼ばれます。

編む手:若いヤシの葉と「マンララ」

袋はふつう、まだ黄緑色の若いヤシの葉で編みます。成長した葉より柔らかく、よく曲がるからです。ビサヤ地方の多くではこの若葉をルカイ(lukay)と呼び、セブアノ語でプソを編む人はマムムソ、あるいはマンララといいます。 形もさまざまです。最も多いのは八面体、ひし形、長方形ですが、セブには鶏の形、歯の形、ランの名前がついた形など、土地ごとに伝わる編み方があると記録されています。セブの山あいの村では、プソ編みは子どもが小さいうちに覚える手仕事の一つだという地元紙のコラムもあります。

スペイン人宣教師の記録と昔の儀礼

葉で包んで炊いたご飯についての最初の記録は、マゼラン艦隊の記録係ピガフェッタが残したものとされています。その後17世紀初め、レイテ島で活動したイエズス会のマテオ・サンチェス神父が辞書に「ポソ」という名前と14種類を記し、1668年にはアルシナ神父が、プソをかまどの精霊に捧げる供物にしたと書き残しました。一度捧げたプソは開けなかったそうです。 スペイン以前のビサヤの人々はプソを精霊「ディワタ」への供え物とし、その一部は今も死者のための祈りや家の祭壇への供え物など、キリスト教式に形を変えて残っています。南部のイスラム教徒の共同体では、ラマダン明けの祝日の料理でもあります。

炭火焼きの相棒:屋台での食べ方

プソはもともと旅にご飯を持っていくための方法だったので、手に持って立ったまま食べるものでした。その性格は今も変わりません。セブでは串焼き屋台、バーベキュー通り、海鮮焼きの店のどこにでもプソが吊るされ、串焼きの肉や魚介、ローストチキン、レチョンと一緒に食べるのが基本です。 開け方は簡単。袋の先の葉を引っぱるか、ナイフで縦に切り開けば、しっかりしたご飯の塊が出てきます。食堂では半分に切って葉ごと皿に出すこともあります。手で少しずつちぎって、焼き物のタレにつけて食べればOK。1個単位で売っているので、足りなければ1個ずつ追加すると便利です。

旅のヒント:どこで見て、どう楽しむか

セブ市では日が暮れると道端の炭火焼き屋台が店を開け、その前にプソの束が吊るされます。並んだ串を選ぶとその場で焼いてくれ、プソは好きな数だけ別に頼むのが一般的です。セブアノ語圏全体、つまりセブだけでなくミンダナオ北部などでも同じ光景が見られます。 中身はふつう白米ですが、土地や用途によってはもち米を使ったり、ココナッツミルクや黒糖を入れておやつにしたりすることもあります。ご飯が固く詰まっていて持ち運びやすいので、アイランドツアーや移動中の軽い食事にもぴったりです。食べ終わった葉は屋台のゴミ箱へどうぞ。

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プソ(Puso):ヤシの葉で編んだ「吊るしご飯」、セブの人の手のひらの一食 | TastyLog