豆知識
1 / 2
酢・玉ねぎ・生姜・唐辛子で和えた魚のキラウ · 写真: Jdcgumpal / CC BY-SA 3.0 (Wikimedia Commons)

酢・玉ねぎ・生姜・唐辛子で和えた魚のキラウ · 写真: Jdcgumpal / CC BY-SA 3.0 (Wikimedia Commons)

フィリピンセブ

スツキル(Sutukil):マクタン島で魚を焼いて、煮て、生で食べるセブ流シーフード

スツキルは料理名ではなく、セブアノ語の三つの言葉、スグバ(焼く)・トゥワ(汁物)・キラウ(生の酢じめ)の頭文字を取ったもの。マクタン島で魚を選んで三通りに食べる方法と注文のコツをまとめました。

5分で読める2

スツキルは三つの言葉の略

セブの食堂の看板でよく見かける「スツキル(SuTuKil)」や「STK」は、特定の料理名ではありません。セブアノ語で炭火で焼く「スグバ(sugba)」、汁で煮る「トゥワ(tuwa、トゥラとも)」、生を酢で和える「キラウ(kilaw)」の頭の音をつなげた言葉です。 つまりスツキルの店とは、客が選んだ魚介をこの三つの調理法の中から好きなように料理してくれる店のこと。1匹を三つに分けて、焼いて、煮て、生で和えて、一つの食卓で全部味わうのが一番セブらしい楽しみ方です。同じ魚が調理法でどれほど違う味になるか、食べ比べるのも楽しみの一つです。

スグバとトゥワ:炭火焼きと澄んだ魚のスープ

スグバは炭火焼き。魚は丸ごとか半分に開いて焼き、イカやエビ、貝も串や網で焼きます。焼いた魚介は、醤油に酢とカラマンシー(フィリピンの小さなライム)を合わせたタレにつけて食べることが多いです。 トゥワは汁物で、タガログ地方の「ティノラ」のように生姜を入れた澄んだスープで魚を煮るスタイルが一般的です。魚の頭や骨つきの部分を入れるとスープが濃くなるので、1匹を分けるときは頭側を汁物に回すことがよくあります。暑い日でも熱い魚のスープは意外によく合い、ご飯やプソとも相性抜群です。

キラウ:酢で「火を通す」生の魚

キラウ(キラウィン、キニラウとも)は、角切りの生魚や魚介を酢で和え、玉ねぎ・生姜・唐辛子で味をつけた料理です。酢の酸で魚の表面が白く変わるので、生なのに刺身とは食感が違います。南米のセビーチェとよく比べられますが、柑橘の果汁より酢が中心なのがフィリピン式の特徴です。 土地や家庭によっては、カラマンシーの果汁を足したり、ココナッツミルクでまろやかにしたりもします。スツキルの店では、その日入った魚の中で新鮮なものをキラウ向きに勧めてもらうのがおすすめ。生が苦手なら、エビやイカをさっと湯通ししてから和えられるか聞いてみてもいいでしょう。

なぜマクタン島なのか

スツキルはセブのどこでも食べられますが、その名前と最も強く結びついているのは、セブの国際空港があるマクタン島のラプラプ市です。1521年のマクタンの戦いでマゼラン一行に立ち向かった首長ラプラプを記念する公園の周りに、昔からスツキルの店が集まっていて、地元紙はかつてここが「香港の魚市場のようだった」と振り返っています。 海に囲まれた島なので新鮮な魚で有名ですが、2015年にはフィルスター系の地方紙が、高い値段と似たような品揃えで客足が遠のいたという記事も出しました。今はセブ市内にもスツキルの店が多いので、記念公園の観光と組み合わせるか、市内で食べるか、日程に合わせて選びましょう。

注文の仕方と旅のヒント

スツキルの店では、ふつう氷の上や水槽に並んだ魚介を自分で選ぶところから始まります。魚・エビ・イカ・貝などを選ぶと重さを量って値段がつくので、注文前にキロ当たりの値段と、調理代が別にかかるかを必ず確認しましょう。そのあと、どれを焼き、煮て、キラウにするかを決めます。 大人数なら、魚1匹を三通りに、エビは焼きにというように分けると、いろいろ味わえます。ご飯かプソ、冷たいビールを添えれば、セブの海辺の夕食の完成です。生ものは衛生面で信頼できる店で食べるのがおすすめです。

#スツキル#キニラウ#マクタン島#セブの海鮮#ラプラプ市
スツキル(Sutukil):マクタン島で魚を焼いて、煮て、生で食べるセブ流シーフード | TastyLog