
開けたボホールのカラマイ · 写真: Obsidian Soul / CC BY-SA 3.0 (Wikimedia Commons)
ボホールのカラマイ(Calamay):ヤシの殻に詰めて赤い紙で封をしたハグナの甘味
半分に割ったヤシの殻の中に、ねっとりした茶色のもち米菓子がぎっしり。口は赤いクレープ紙で封をされています。ボホール島ハグナの名物カラマイの由来、作り方、食べ方とお土産のコツをまとめました。
カラマイとは:フィリピン各地のもち米菓子
カラマイ(calamay、kalamay)は、もち米をすりつぶした生地にココナッツミルクと黒糖を加え、長時間煮詰めて作るねっとりしたお菓子です。フィリピン各地にそれぞれのカラマイがあり、ルソン島のアンティポロではバナナの葉の上に平たくのばし、バギオでは小さな木の実の殻に詰め、イロイロやイロコスにも祭りが開かれるほど有名なカラマイがあります。 なかでもボホールのカラマイは、包装でひと目で分かります。半分に割ったなめらかなヤシの殻(バゴル、またはパヤ)に詰め、口を「パペル・デ・ハポン」と呼ばれる赤いクレープ紙で包んで封をします。ボホール島、とくに南東海岸の町ハグナ(Jagna)がこのカラマイのふるさととされています。
ハグナの神父が伝えたという話
ハグナのカラマイの始まりは、一人の聖職者と結びつけて伝えられています。百科事典や地元の資料によると、アウグスチノ・レコレクト会に属しハグナ教区を担当したマリアノ・グティエレス神父が、住民、とくにカンウパオ地区の人々にカラマイの作り方をあえて教えたといいます。神父自身がレシピを工夫したという話もあります。 神父がハグナで活動した正確な時期ははっきりしません。ただ地元では、ハグナのカラマイの歴史は1825年ごろに始まったと伝えられ、4月のカラマイ祭りもこの長い伝統を掲げています。200年近くハグナの人々の手から手へと受け継がれてきたといわれるお菓子です。
何時間もかき混ぜるお菓子:作り方
カラマイの材料はシンプルで、もち米、ココナッツミルク、黒糖だけです。すりおろしたココナッツからミルクを2回搾り、1回目のミルクはもち米と一緒にすりつぶして生地にし、2回目のミルクは黒糖と一緒に何時間も煮て、濃いココナッツキャラメル「ラティック」を作ります。 それからラティックにもち米の生地を流し込み、とても重たくなるまでかき混ぜ続けます。焦げつかないよう弱火で手を止めずに何時間も混ぜなければならず、きつい作業として知られています。こうしてできたカラマイをヤシの殻に詰め、赤い紙で封をすれば完成です。最近は紫色のウベを入れたカラマイも見かけます。
食べ方と保存
赤い紙をはがすと、つやつやした茶色のカラマイが殻いっぱいに詰まっています。スプーンですくって食べるのが一番簡単で、甘みが強めなので少しずつ取り分けて食べるのがおすすめ。温かいまま、常温、冷やしても食べられます。 パンに塗ったり、濃いコーヒーと一緒におやつにしたりするのもおすすめです。ねばねばして手につきやすいので、ウェットティッシュを持っていきましょう。殻と紙で封をされているので持ち歩きやすいものの、生菓子に近いので、開けたら涼しい場所か冷蔵庫に置き、なるべく早く食べるのがよいでしょう。
旅のヒント:どこで買い、いつ行くとよいか
カラマイはボホールを代表するお土産なので、州都タグビラランの土産物店や市場、空港周辺でも簡単に見つかります。元祖の町の雰囲気を味わいたいなら、タグビラランから南東の海岸道路を進んだ先のハグナに立ち寄ってみてください。海沿いに島を巡る旅程に組み込みやすい場所です。 ハグナでは毎年4月下旬ごろにカラマイ祭りが開かれ、実演、無料の試食、カラマイで飾った車のパレードなどが行われるといわれています。日程は年によって変わることがあるので事前に確認を。飛行機で持ち帰るときは、殻が割れないよう服の間に入れ、紙の封が破れていないものを選ぶのがコツです。