歴史
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氷を浮かべた冷やし三輪素麺 · 写真: ちぃこ (Chiiko) / CC BY 2.1 JP (Wikimedia Commons)

氷を浮かべた冷やし三輪素麺 · 写真: ちぃこ (Chiiko) / CC BY 2.1 JP (Wikimedia Commons)

日本奈良

三輪素麺:「そうめん発祥の地」桜井・三輪と、神様が決める卸値

奈良県桜井市の三輪は、日本のそうめん発祥の地といわれます。大神神社にまつわる伝承から、冬だけの手延べ作業、神社の占いで決まる卸値、旅先での食べ方までまとめました。

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三輪山のふもと、発祥の地という伝承

奈良盆地の南東、桜井市三輪には、山そのものをご神体とする日本最古級の神社・大神神社があります。この一帯は日本のそうめん発祥の地といわれています。 農林水産省の資料によると、1200年以上前、大神神社の宮司の息子が三輪の地で小麦を栽培し、麺にしたのが始まりと伝えられます。ご祭神の子孫・大神穀主(おおみわのたねぬし)が三輪山麓の小麦と清らかな水でそうめんを作ったという話も伝わり、大神神社はそうめん造りの守護神とされています。あくまで伝承で、史実として確定したものではありません。小麦の栽培と製粉の技術は、奈良時代に遣唐使によって伝えられたとされています。

お伊勢参りの道に乗って全国へ

江戸時代の三輪は、伊勢神宮へ向かう参拝客が行き交う宿場町として栄えました。この道を通った人々によって、三輪のそうめん作りが兵庫県の播州、香川県の小豆島、長崎県の島原などへ広まったと伝えられます。今の日本の名だたるそうめん産地のいくつかが、三輪とつながっているというわけです。 1895年(明治28年)には三輪素麺の組合が設立されて品質管理が本格化し、大正から昭和初期が製造の全盛期だったといいます。2002年には他産地のそうめんを「三輪素麺」として販売したことが問題になりましたが、その後2016年3月に「三輪素麺」は地理的表示(GI)に登録され、名前を守る制度が整いました。

冬だけ作る手延べそうめん

三輪素麺は手で延ばして作る手延べそうめんです。小麦粉を塩水でこねた生地に油を塗り、よりをかけながら細く延ばしていきます。途中で「ウマシ」と呼ばれる熟成を何度も挟んで生地を休ませ、水分を適度に飛ばすことで、のどごしがよく、ゆで延びしにくくなるといいます。1日目に延ばし、2日目に乾燥と裁断と、2日がかりで作ります。 製造期間は寒く乾燥した12月から3月末まで。冬の奈良盆地の冷たい空気がそうめんを作っているともいえます。天日干しの光景は「奈良県景観資産」に登録されています。また製造から1年以上寝かせたものを「古物(ひねもの)」、2年以上を「大古(おおひね)」と呼び、寝かせるほどコシが良くなるとされます。

神社の占いで決まる卸値

三輪素麺には、他ではなかなか見られない風習があります。毎年2月5日に大神神社で行われる「卜定祭」で、その年のそうめん初取引の卸値を神様に占ってもらう行事です。 方法はこうです。まず製造業者と商社が話し合って基準の「中値」を決め、その上下100円の幅で「高値」と「安値」を設けます。神職が三つの値を書いた小さな紙玉に筒状の麻を近づけ、麻にくっついた紙玉を神意とします。2026年2月5日には、基準銘柄「誉」の18キロ詰めが「安値」の1万2600円に決まったと報じられました。実際の取引では参考値程度とされています。

冷やしても温めても:食べ方と行き方

夏は氷水でしめたそうめんをつゆにつける冷やしそうめんが定番、寒い季節は温かいだしで食べるにゅうめんがおすすめです。細いのにゆで延びしにくいのが三輪素麺の持ち味で、温かい汁の中でも食感が長持ちします。カレーにゅうめんや炒め物で出す店もあります。三輪素麺は日本では夏の贈り物としても人気で、箱入りの贈答用商品がたくさん並んでいます。 行き方は、JR桜井線(愛称「万葉まほろば線」)の三輪駅で降りればすぐ大神神社の参道が続き、神社の前や駅周辺にそうめんを食べられる店やみやげ物店が集まっています。参拝とそうめん一杯を組み合わせて半日コースで訪ねるのにぴったりです。大神神社では2月の卜定祭のほか、夏の終わりにそうめんの感謝祭も行われ、そうめん流しのイベントが開かれたこともあります。

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三輪素麺:「そうめん発祥の地」桜井・三輪と、神様が決める卸値 | TastyLog