
とんかつ・ピラフ・スパゲッティを一皿に盛った長崎風トルコライス · 写真: R34SkylineGT-R V-SpecⅡNür / CC BY-SA 3.0 (Wikimedia Commons)
長崎トルコライス:トルコ料理ではないのになぜ「トルコ」?
とんかつとピラフ、ナポリタンを一皿に盛った長崎の洋食トルコライス。実はトルコとは関係がなく、名前の由来も謎です。諸説と地域ごとの違い、初めて食べる人のための注文のコツをまとめました。
一皿に三品、大人のお子様ランチ
トルコライスは、とんかつ、ピラフ、スパゲッティを一皿に盛り合わせた長崎の洋食です。ピラフはカレー味のチャーハンであることが多く、スパゲッティはケチャップで炒めたナポリタンが定番、とんかつにはデミグラスソースやカレーソースをかけます。サラダを同じ皿に添えたり別に付けたりすることもあります。 ただ決まったレシピはなく、店によって構成はかなり違います。とんかつの代わりに別の揚げ物をのせたり、ソースやご飯の種類を変えた複数のバージョンをメニューに置いたりする店もあります。好きなものを一皿に全部集めたような見た目から「大人のお子様ランチ」と呼ばれることもあります。量が多めなので、お腹をすかせて挑みましょう。
トルコとは無関係の名前
まずはっきりさせておきたいのは、トルコライスはトルコ料理ではないということ。トルコのある料理を訳した名前でもありません。1950年代ごろに生まれたと考えられていますが、いつ誰が最初に作ったのか、なぜこの名前になったのかについて確かな記録は残っていません。 そのため名前の由来をめぐってはいくつもの説がありますが、多くは根拠がはっきりしません。地元メディアが推測として紹介した説もあれば、関係するとされた店が後に否定したケースもあります。以下の説は「こんな話がある」という程度に読んでください。どれが正しいかは資料によって異なり、むしろこの謎自体が長崎の人たちの好きな話題でもあります。
名前の由来、こんな説がある
最もよく知られた説の一つが「架け橋」説です。チャーハンは中国、スパゲッティはイタリアを表し、その間にあって東西をつなぐトルコの名をとったというもの。三種の料理を盛り合わせた様子を三色にたとえた「三色」説もあります。 ほかにも、神戸の米軍将校クラブでピラフに似たチャーハンを「トルコ風ライス」と呼んだという話、長崎にあった「トルコ」という名の店から来たという話、当時の流行語から名付けたという話、「トルコ」が「なじみのない料理」という意味で使われたという話などが伝わっています。どれも決定的な証拠はなく、今も答えは資料によって異なるとしか言えません。
地域ごとに違う「トルコライス」
トルコライスという名前は長崎だけのものではありません。1930年代の東京ですでにこの名前が使われた記録があり、地域ごとにまったく違う「トルコライス」があります。大阪や神戸など関西では、ケチャップライスに目玉焼きとカツ、デミグラスソースをのせたものや、オムライスのように卵で包んだものが知られています。横浜や川崎ではカツをケチャップライスに混ぜ込んだり下に隠したりするスタイルもあるそうです。北海道の稚内にはチキンカツを使うものがあります。 それでも「とんかつ+ピラフ+スパゲッティ」の組み合わせは長崎風の象徴です。長い間長崎県外では珍しい存在でしたが、1990〜2000年代にガイドブックや漫画、テレビ、そして2003年ごろから売られたコンビニ弁当を通じて全国に知られるようになりました。
初めて食べるときのコツと、どこで食べるか
トルコライスは長崎市内の洋食店や昔ながらの喫茶店、レストランでよく見かけるメニューです。同じ名前でも店によってソースがデミグラスかカレーか、ご飯がカレーピラフか別の炒めご飯かが違うので、メニューの写真を見て選ぶと失敗が少なくなります。複数のバージョンがある店なら、まずは基本形を食べてみましょう。 食べる順番に正解はありませんが、とんかつのソースをピラフと一緒にすくい、スパゲッティで口直しをしながら三品を行き来して食べる人が多いです。量が多いので、ちゃんぽんやカステラまで一日で食べる予定なら、昼と夜に分けて計画するのがおすすめです。長崎市中心部の商店街周辺や駅周辺の飲食店街で見つけやすいです。