歴史
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鹿児島の白熊(かき氷) · 写真: Hajime NAKANO / CC BY 2.0 (Wikimedia Commons)

鹿児島の白熊(かき氷) · 写真: Hajime NAKANO / CC BY 2.0 (Wikimedia Commons)

日本鹿児島

白熊(しろくま):鹿児島の練乳かき氷はなぜ「白熊」と呼ばれるのか

真っ白なかき氷に練乳をたっぷりかけ、果物とあずきをのせた鹿児島の夏の名物・白熊。名前の由来には二つの説が伝わります。起源説、広まった経緯、サイズ選びのコツまでまとめました。

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上から見ると熊の顔、鹿児島の夏のかき氷

白熊(白くま)は、細かく削った氷に加糖練乳や練乳ベースのミルクシロップをたっぷりかけ、缶詰の果物やレーズン、チェリー、三色寒天などを彩りよく盛り、あずきをのせた鹿児島市発祥のかき氷です。レーズンやチェリーを目と鼻のように配置し、上から見ると白熊の顔に見えるよう盛りつける店が多くあります。 鹿児島市では昭和前期からかき氷の代表として親しまれ、今では市内の多くの喫茶店や飲食店で提供されています。農林水産省の郷土料理資料も白熊を鹿児島県の郷土料理として紹介し、夏にはこれを目当てに訪れる観光客が多いと記しています。練乳の甘さを氷がやわらげ、果物の酸味がバランスを取るのが魅力です。

起源説その1:1930年代、練乳缶の白熊ラベル

白熊の名前の由来には諸説あり、商標などが問題になったこともないため、詳しい経緯ははっきりしないそうです。日本語版ウィキペディアが紹介する一つ目の説は、1932年か1933年ごろにさかのぼります。 当時、鹿児島市西田本通りにあった綿屋が夏の副業としてかき氷を売っており、新商品として練乳をかけたかき氷を作った際、練乳の缶に貼られていたラベルのシロクマの絵を名前に借りた、という話です。この説は鹿児島県と地元の氷菓メーカーが採用しているといいます。この説に従えば白熊は戦前からあったことになり、「上から見ると熊の顔」という盛りつけは後から生まれたことになります。最初の白熊は今のように果物たっぷりの姿ではなく、練乳をかけた素朴なかき氷だった可能性が高いでしょう。

起源説その2:1947年の天文館、レーズンが熊の顔に

二つ目の説は終戦直後の天文館から始まります。1947年、天文館のある大衆食堂の創業者が、イチゴに牛乳をかけるとおいしかったことにヒントを得てかき氷に練乳をかけてみたものの甘すぎたため、改良を重ねてさっぱりしたミルク味のシロップを作ったといいます。豪華に見えるよう三色寒天やさいの目切りの羊羹、あずき、缶詰の果物、レーズンなどを盛ったところ、上から見た姿が白熊に似ていたので「白熊」と名づけた、という話で、販売は1949年に始まったと伝えられます。 農林水産省の資料は、昭和20年代に創業した老舗飲食店が発祥といわれているとし、当時一般的なかき氷が20円ほどだったのに対し白熊は50円と高価で、庶民の憧れの氷菓になったと紹介しています。このように二つの説は時期も名前の理由も異なり、資料によって説明が違います。

天文館から全国へ:カップ氷菓と変わり白熊

天文館で人気を得た白熊は、天文館の食堂やデパートの食堂を経て鹿児島市内全体に広まりました。その後、工場製のカップ氷菓やアイスバーも登場し、鹿児島のスーパーや駄菓子屋で最もポピュラーなカップ入りかき氷は白熊だといわれるほどです。1970年代からは隣の福岡県の製菓会社もカップ商品を作っており、今では全国のコンビニやスーパーでも「九州名物」と書かれた白くまアイスを見かけます。 店で出す白熊も多彩になりました。練乳の代わりに、あるいは練乳に加えてチョコレートシロップやコーヒー、黒糖シロップを使った「黒くま」、プリンやヨーグルト、抹茶シロップをのせたものなど、店ごとに個性あるアレンジがあります。テレビ番組で何度も取り上げられて全国に名が知られ、今では南九州の夏の風物詩になっています。

サイズ選びと食べ方のコツ

白熊は天文館アーケード一帯の喫茶店や飲食店で最も手軽に味わえ、鹿児島中央駅周辺や鹿児島空港の飲食店でも出している所があります。注文で一番大事なのはサイズ。元祖として知られる店の中には標準サイズが750mlに達するほど大きな所もあり、小さな「ベビー」サイズを別に用意している店が多くあります。一人ならベビー、二人なら標準を一つ分けるくらいがちょうどよいでしょう。 氷が細かく量も多いのですぐに溶けます。写真は手早く撮り、上からトッピングと氷を混ぜながら食べるのがおすすめ。夏が本番なので繁忙期の週末の午後は行列が長くなることもありますが、通年で出す店もあり、ほかの季節にも味わえます。

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