豆知識
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金沢のおでん屋で出されたバイ貝 · 写真: Sterry2607 / CC BY-SA 3.0 (Wikimedia Commons)

金沢のおでん屋で出されたバイ貝 · 写真: Sterry2607 / CC BY-SA 3.0 (Wikimedia Commons)

日本金沢

金沢おでん:夏でもおでん屋がにぎわう町の、車麩・バイ貝・カニ面注文ガイド

金沢でおでんは冬の屋台料理ではなく、一年中カウンターで地酒と楽しむ料理です。おでん屋文化が生まれた背景、「金沢おでん」の特徴、ぜひ食べたい種、冬だけのカニ面まで、初めての旅行者向けに注文のコツをまとめました。

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一年中おでんを食べる町

金沢は人口あたりのおでん屋の数が日本一の町として知られています。2010年に人気情報番組でそう紹介されて大きな注目を集め、冬だけでなく一年中営業するおでん専門店が多いのが特徴です。創業50年を超える老舗もいくつもあります。 金沢でおでん屋が流行したのは大正末期から昭和初めごろとされます。お茶屋遊びの帰りの人や仕事終わりの人、深夜に働く人たちが立ち寄り、一時期は明け方まで営業する店が当たり前でした。今も財布にやさしいおでんを肴に語らう、町の社交場として親しまれています。

「金沢おでん」とは何か

「金沢おでん」という言葉は、北陸新幹線が金沢まで開業した2015年前後から広く使われるようになりました。市内の創業50年以上の老舗でつくる会は、金沢おでんを「金沢らしい地元の食材を使う」「一年中食べられる」の二つで定義しています。 よく「甘くやさしい黄金色の出汁」が特徴と紹介されますが、実際は店によってかなり違います。醤油を使わない澄んだ黄金色の出汁の店、関西風の淡い出汁の店、関東風の醤油仕立ての店が共存し、地元の醤油を使う店もあります。そのため地元では「金沢おでんという決まった型はない」と言う人も少なくありません。共通しているのは、種に金沢や石川の産物が多く使われていることです。

ぜひ食べたい種

初めてならまず車麩を選びましょう。車輪の形をした大きな麩で、店主が手で切る店が多く、断面に出汁がよくしみ込みます。バイ貝はサザエのような形の巻貝で、一年中出てくる金沢おでんの看板種です。楊枝で身をくるりと回して取り出して食べます。 秋から初冬にかけては加賀野菜の源助大根が旬で、10月下旬から12月上旬ごろが一番おいしいとされます。店主手づくりのつみれも人気です。断面に赤い渦巻き模様がある赤巻と、魚のすり身を蒸したふかしは金沢らしい見た目で写真によく登場しますが、地元の人はそれほど頻繁には食べないという話もあります。

冬だけのカニ面

金沢おでんで一番人気の種は、冬限定のカニ面です。ズワイガニのメスである香箱ガニの甲羅に、内子と外子、カニみそ、脚の身を詰めておでんの出汁で煮たもので、カニ一杯をまるごとスプーンで味わうような贅沢な一品です。 香箱ガニは漁の期間がとても短いため、カニ面も11月のカニ漁解禁のころから年末ごろまでしか出さない店がほとんどです。時期や予約の要否は店によって異なります。手間のかかる料理なのでおでんとしては値が張り、2024年の記事では3,000円からが相場と紹介されています。人気が高く、1人1個、あるいは1シーズン1個までと注文を制限する店もあるので、どうしても食べたいなら事前に確かめておきましょう。

注文のコツとどこで食べるか

金沢のおでん屋はカウンター中心の小さな店が多くあります。鍋の前に座り、食べたい種を二つ三つずつ伝えると皿に盛ってくれるのが一般的なので、最初にまとめて頼むより少しずつ追加するのがおすすめです。ほとんどの店が石川の地酒をそろえていて、おでんの出汁で酒を割る「だし割」や、出汁をたっぷりかけたご飯を出す店、生姜味噌をつけて食べる店もあり、店ごとの個性を楽しめます。 おでん屋は金沢駅周辺、近江町市場界隈、繁華街の片町・香林坊界隈に多くあります。種がなくなり次第閉める店もあり、夜の時間帯はすぐ席が埋まるので、早めの時間に行くのが安心です。人数が多い場合は予約ができるか事前に確かめましょう。

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