豆知識
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香箱ガニ(雌のズワイガニ) · 写真: pelican from Tokyo, Japan / CC BY-SA 2.0 (Wikimedia Commons)

香箱ガニ(雌のズワイガニ) · 写真: pelican from Tokyo, Japan / CC BY-SA 2.0 (Wikimedia Commons)

日本金沢

加能ガニと香箱ガニ:11月6日を待つ金沢の冬のカニ案内

金沢の冬はカニから始まります。青いタグの雄「加能ガニ」と卵がぎっしりの雌「香箱ガニ」の違い、いつからいつまで食べられるか、他の地域のズワイガニとの呼び名の違い、近江町市場での楽しみ方までまとめました。

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雄のズワイガニの名前・加能ガニ

日本海でとれるズワイガニは、地域ごとに違う名前で呼ばれます。石川県で水揚げされた雄のズワイガニのブランド名は加能ガニです。旧国名の加賀の「加」と能登の「能」から取った名前で、公募により2006年11月1日に決まりました。 すべての雄が加能ガニになるわけではなく、甲羅の幅が9cm以上で身入りのよいものだけがこの名で呼ばれます。その証が脚につける青いタグで、タグには水揚げした港の名前が入っています。同じ雄のズワイガニでも、隣の福井県の越前ガニは黄色、鳥取県の松葉ガニは白のタグをつけるので、市場ではタグの色を見るだけでどの海から来たかが分かります。

卵を抱く雌・香箱ガニ

石川県では雌のズワイガニを香箱ガニ、略して「香箱」と呼びます。名前の由来には諸説あり、小さな箱のような形だからという説、卵を抱く雌を表す「子箱」から来たという説、日本海の香りを秘めているからという説などが伝わります。 香箱は雄よりずっと小さいものの、甲羅の中の未成熟なオレンジ色の卵「内子」と、お腹に抱えた成熟した卵「外子」が珍重されます。ねっとりした内子とぷちぷちの外子、濃厚なカニみそを一度に味わえるのが魅力です。雌の呼び名も地域で違い、福井県ではセイコガニ、兵庫県ではセコガニ、京都府ではコッペガニ、鳥取県と島根県ではオヤガニと呼ばれます。

いつ食べられる?11月6日解禁

石川県のズワイガニ漁は毎年11月6日に解禁されます。解禁日には初競りが行われ、金沢の近江町市場にすぐカニが並び、金沢に冬が来たことを告げる風景になります。ただし天候が悪いと出漁が遅れることもあり、2023年は3日遅れの11月9日に初競りが行われました。 漁期は雄と雌で違います。地元の案内によると、雄の加能ガニは翌年3月20日まで、雌の香箱は12月29日までで、香箱を味わえるのは2か月足らずです。だからこそ香箱は「冬の貴重な味」としていっそう愛されています。最高級ブランドもあり、厳しい基準を満たした雄には「輝(かがやき)」、雌には「輝姫」の名がつけられます。

どう食べるか

一番の基本は塩ゆでした「ゆでガニ」です。ゆでた雄は長く太い脚の身をするりと引き抜いて食べるのが醍醐味で、甲羅の中のカニみそはそのまま味わったり身につけたりします。香箱は甲羅を開けて内子とみそ、お腹側の外子を一緒にすくって食べるのが楽しみです。脚が細く身を取り出すのが手間なので、店で身をほぐして甲羅に詰めて出してくれることも多くあります。 身をほぐして甲羅に詰めた香箱は寿司や丼の具にもなり、金沢のおでん屋ではこれをおでんの出汁で煮て冬限定の「カニ面」として出します。雄は大きくて高価な分身がたっぷり、雌は小ぶりで比較的手頃なうえ卵とみその味が濃厚なので、両方を少しずつ味わうと違いがよく分かります。

近江町市場での楽しみ方

金沢でカニに出会いやすいのは、「金沢の台所」と呼ばれる近江町市場です。解禁後は店ごとにゆでガニや活ガニがずらりと並び、市場内外の食事処ではカニをのせた丼や定食、香箱料理を味わえます。冬の週末は朝から混み合うので、平日や早い時間を狙うとゆっくり見て回れます。 雄を買うときは脚の青いタグと港の名前を確かめれば、石川県産の加能ガニかどうかが分かります。海外からの旅行者は、生やゆでたカニをそのまま飛行機に持ち込むのが難しかったり、国ごとに持ち込みの規則が違ったりするので、現地で食べていくのが一番確実です。値段は大きさや状態、その日の水揚げ量で大きく変わるので、店頭の値札を必ず確かめて選びましょう。

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