歴史
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仙台のずんだ餅 · 写真: Σ64 / CC BY 4.0 (Wikimedia Commons)

仙台のずんだ餅 · 写真: Σ64 / CC BY 4.0 (Wikimedia Commons)

日本仙台

ずんだ餅:枝豆をすりつぶした緑の餅、伊達政宗の伝説と本当の語源

ゆでた枝豆をすりつぶして砂糖で甘くした緑色のずんだを餅にたっぷりのせたずんだ餅は、仙台を代表する甘味です。名前にまつわる伊達政宗の伝説と研究者が挙げる本当の語源、地域ごとの呼び名、ずんだシェイクまでまとめました。

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ずんだはどう作るか

ずんだは、枝豆をすりつぶして作る緑色のペーストです。作り方は単純ですが手間がかかります。枝豆をゆでてさやから豆を取り出し、豆を包む薄皮を一つずつむいてから、すり鉢に入れてすりつぶします。 ずんだ餅用には砂糖とひとつまみの塩を加え、店や家庭によってはほんの少し味噌を足すこともあります。和え物にするときは砂糖の代わりに出汁を加えます。宮城では豆の粒感が少し残る程度に粗くすったものが好まれ、隣の山形ではとてもなめらかにすることが多いといいます。あんこのような濃い甘さではなく、枝豆の青い香りと香ばしさが生きたやさしい甘さが特徴です。

名前の由来:政宗の太刀か、古い食べ物の名か

ずんだという名前には諸説あります。最もよく知られるのは、ゆでた豆をすりこぎでつぶす「豆打(ずだ)」がなまって「ずんだ」になったという説ですが、有名なわりに正しい説ではないとされています。 仙台らしい伝説もあります。仙台藩を開いた伊達政宗が出陣の前に陣太刀で枝豆をつぶしたという話で、陣太刀(じんたち)がなまって「じんだ」「ずんだ」になったというものです。甚太という農民が政宗に餅を献上し「甚太餅」になったという説もあります。しかし言語学者や食文化史の研究者が最も有力とするのは、かつて糠や味噌で作る料理を「糂汰(じんだ)」と呼んでいた言葉が枝豆のペーストにも使われるようになったという説です。1733年の料理書にも、砂糖で甘くした青大豆のペーストと思われる「ぢんた」が登場します。

お盆と七夕の餅

ずんだを一番おいしく味わう方法は、やはりずんだ餅です。つきたての餅を一口大にちぎり、ずんだをたっぷりかぶせて食べます。もちもちの餅と、粒が少し残るずんだの食感がよく合います。 ずんだ餅はもともと夏の旬の枝豆で作る季節の食べ物で、先祖を迎えるお盆(8月中旬ごろ)のお供えとして親しまれてきました。今も8月初めの仙台七夕まつりからお盆にかけてが、ずんだ餅が最もよく売れる時期だといいます。一方で冷凍技術のおかげで季節を問わず食べられるようになり、1989年には冷凍ずんだ餅の通信販売が始まりました。今では仙台の和菓子店やおみやげ店で一年中ずんだ餅に出会えます。

地域で違う呼び名:ずんだ・じんだ・ぬた

枝豆のペーストは仙台だけの食べ物ではありませんが、呼び名が地域ごとに違うのが面白いところです。「ずんだ」の名を使うのは、岩手県南部、宮城県、福島県新地町、秋田県や山形県の一部など、おおむね旧仙台藩の領域と重なります。 山形県北村山地方では「ずんだん」、置賜地方では「じんだん」と言い、会津を除く福島県の大部分、秋田県南部、青森県津軽地方、長野県上伊那地方、山形県庄内地方では「じんだ」と呼びます。山形県村山地方と福島県会津地方では「ぬた」や「豆ぬた」、長野県の諏訪・伊那地方では「のた」と言います。名前を聞くだけで、その土地の歴史が垣間見えるわけです。

ずんだシェイクとどこで味わうか

今の仙台でずんだを味わう人気の方法の一つがずんだシェイクです。歩きながら飲む仙台名物のドリンクで、2015年6月1日に人気テレビ番組で紹介されたのをきっかけに全国に知られるようになりました。同じ年の12月4日にはJR仙台駅構内にずんだの店が集まる「ずんだ小径」が開業し、列車に乗る前にずんだ餅やシェイクを楽しむ旅行者が多くいます。 仙台市内の和菓子店では、ずんだ餅のほかにもずんだ入りのまんじゅうやロールケーキなど、さまざまなお菓子に出会えます。宮城県角田市では2003年から「角田ずんだまつり」も開かれています。作りたてのずんだ餅はその日のうちに食べるのが一番おいしいので、おみやげにするなら冷凍品や常温で日持ちするお菓子を選ぶとよいでしょう。

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