
利川の石焼きご飯 · 写真: by Junho Jung at Flickr from South Korea / CC BY-SA 3.0 (Wikimedia Commons)
利川の米ご飯:王の食膳に上がったという米で炊く石焼きご飯の膳
京畿道利川は「イムグムニム(王様)印」という名の付いた米で有名で、利川に行けばおかずがずらりと並ぶ米ご飯定食を食べるのが旅の定番になっています。献上米の話と利川米がおいしい理由、石焼きご飯の食べ方、米の体験スポットをまとめました。
成宗の膳に上がったという利川米
利川米が「イムグムニム(王様)印」という名前を持つようになったのには、朝鮮王朝・成宗の時代の話があります。15世紀末の利川府使の治績をまとめた資料によると、成宗が驪州にある世宗大王陵への墓参りの帰りに利川に滞在した際、利川の米で炊いたご飯が王の膳に上がり、その味が良かったため以後献上米として納められたといいます。 話の性格上伝説に近い部分もありますが、利川が名高い米の産地だったという記録はほかの文献にも残っています。朝鮮時代の農書『圃志』には利川産の米が良いと書かれ、『東国輿地勝覧』には利川がおいしい紫彩米を王に献上した米の名産地として記録されています。この献上の話が、今日の利川米ブランドのルーツになりました。
利川米はなぜおいしいのか
利川市は利川米がおいしい理由として土地と気候を挙げています。利川は内陸の真ん中にある盆地地形で、日差しと雨が十分にあり、季節ごとの気温差と昼夜の寒暖差が大きく、稲が実る時期によく日が当たります。地下水が豊富で、養分をよく蓄える粘土分の多い土地も稲作に有利な条件とされています。 品種管理も徹底しています。利川では米粒が透明で炊くとつやの出る品種を中心に栽培し、地域の農協と米穀総合処理場が共同で買い取って乾燥、貯蔵、加工、流通まで管理しています。1993年に「イムグムニム印」の商標を付け始め、2005年には米の分野で初めて地理的表示の登録を受けました。炊きたての利川米はおかずなしでご飯だけ食べても甘みを感じると言われます。
利川の米ご飯定食:おかずがずらり
利川に行ったら、米ご飯の店で「米ご飯定食」や「石焼きご飯定食」を食べるのが旅行者の定番コースです。注文を受けると利川米を一人用の石釜ですぐに炊いて出し、その間に食卓にはナムルやチヂミ、焼き魚、プルコギ、チゲなどさまざまなおかずが一度に並びます。店によってはカンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)やポッサムなどの特選料理を加えた膳もあり、価格帯はさまざまです。 米が主役の料理なので、おかずより先にご飯をひと口そのまま味わうのがおすすめです。石釜で炊きたてのご飯はつやつやで米粒が立っており、なぜ米そのものを売りにした定食が生まれたのかすぐにわかります。ご飯を食べ終えたら、石釜の底にこびりついたおこげがもう一つのごちそうになります。
石焼きご飯とおこげのおいしい食べ方
石焼きご飯が出てきたら、すぐにご飯を全部空いた器に移すのがコツです。ご飯を取り出した後、熱い石釜にお湯を注いでふたをしておくと、底のおこげがふやけて香ばしいスンニュン(おこげ湯)になります。食事の終わりにこのおこげとスンニュンを食べるのが利川の米ご飯定食の締めくくりです。店員がお湯を注いでくれる場合もあるので、案内に従いましょう。 石釜はとても熱いので手で触らないよう気をつけ、ご飯を移すときはしゃもじを使いましょう。おかずはたいていおかわりできますが、特選料理は追加料金がかかることが多いです。米ご飯の店では利川米を袋詰めで売っていることもあり、味が気に入ったら旅のお土産に買って帰る人も多くいます。
米ご飯の店はどこに、米を体験するなら
利川の米ご飯の店は、市内の沙音洞一帯や新屯面など利川のあちこちに散らばっており、陶磁器の村がある新屯面のほうは陶磁器見物と米ご飯を一緒に楽しむのにぴったりです。車で訪ねる店が多いので、公共交通機関なら京江線利川駅や新屯陶芸村駅からタクシーを利用すると便利です。 米についてもっと知りたいなら、慕加面の利川農業テーマ公園内にある米文化展示館に立ち寄ってみてください。脱穀や臼での精米、箕(み)でのふるい分けなど昔の農作業の体験ができ、その場で精米する体験もあります。観覧時間は夏期(4〜10月)午前9時〜午後6時30分、冬期午前9時〜午後5時で、月曜日は休みです。毎年秋には利川米文化祭りが開かれ、今年は10月中旬に開催されてすでに終了しました。