
焼きたての菊花パン · 写真: by LWY / CC BY 2.0 (Wikimedia Commons)
鳥致院の五日市(世宗伝統市場):4と9の日に味わう緑豆チヂミ・菊花パン・旬の果物
整然とした新都市として知られる世宗にも、90年以上市が立つ古い市場があります。鳥致院邑の世宗伝統市場の歩みと「鳥致院」という名前の由来、4と9の付く市の日に味わいたいグルメ、市場めぐりのコツをまとめました。
1931年から4と9の日に立つ市
鳥致院は朝鮮時代に清州牧に属し、この頃から市が立つ交通と商業の要地だったといいます。1931年には元里と亭里一帯に正式な五日市ができ、毎月4と9の付く日(4・9・14・19・24・29日)ごとに市が開かれるようになり、天安や公州、大田など近隣地域の人々まで集まったことで商店が定着し、在来市場の姿を整えました。 長く鳥致院在来市場と呼ばれてきたこの市場は、2012年7月1日に世宗特別自治市が発足すると世宗在来市場、今の世宗伝統市場に名前が変わりました。政府庁舎や新しいマンション団地が建つ新都心とは違い、鳥致院旧市街のこの市場には、市の日になると野菜や果物、魚、おかずを売る露店が長く並ぶ昔ながらの市場の風景がそのまま残っています。
「崔致遠の市場」が「鳥致院」になったという話
鳥致院という地名には面白い話が伝わっています。新羅末期の学者・崔致遠(チェ・チウォン)がここに市場を開いて商業を奨励したので、人々が「崔致遠市場」と呼んでいたのが、年月とともに発音が変わって「鳥致院(チョチウォン)」になったというものです。事実として確認された話ではありませんが、この土地が昔から市場で名高かったことを示す地名説話として地元で広く語られています。 記録に残る名前は18世紀の文献に見られます。1770年に編纂された『東国文献備考』や徐有榘の『林園経済志』に鳥致院里が登場すると紹介されています。昔は漢陽と湖南を結ぶ道や錦江の舟運が近く物資が行き交い、鉄道が敷かれてからは京釜線と忠北線が交わる鳥致院駅がその役割を引き継ぎました。
市の日に味わう市場グルメ
世宗伝統市場には地域の名物パダクをはじめ、餃子、スンデ、豚足、チヂミ、天ぷらなどのグルメがずらりと並んでいます。2026年9月に市場を訪れたある記事では、緑豆チヂミ、丸鶏フライ、豚の頭肉、トッカルビ、ホットクなどを買って食卓を整え、菊花パン(クッカパン)は5個で2,000ウォンだったと伝えています。ピーナッツ菓子や種入りホットク、茶菓(タシク)、薬菓(ヤックァ)、おこし(カンジョン)などのおやつも市の日の楽しみです。 菊花パンは菊の花の形の型に薄い小麦粉の生地とあんこを入れて焼いた小さなパンで、焼きたての熱々を食べると外はカリッと中は甘いです。種入りホットクは油で焼いたホットクの中にナッツや種をたっぷり詰めたもので、緑豆チヂミは挽いた緑豆の生地をその場で焼いてくれます。市の日は客が集中してすぐ売り切れるものもあるので、午前中に行くのがおすすめです。
鳥致院の桃と旬の果物
世宗伝統市場の果物売り場は季節ごとに顔ぶれが変わります。地域の特産品である鳥致院の桃をはじめ、チャメ(マクワウリ)、すもも、りんご、梨などの旬の果物が売り場を埋め尽くします。特に真夏には鳥致院の桃が市場の主役になり、箱ごと買っていく人々で市場がにぎわいます。 市場で果物を買うときは試食を勧める商人が多いので、ひと切れ味見してから選ぶのもよいでしょう。いくつか買うとおまけを付けてくれる市場の人情もまだ残っています。秋はりんごと梨が旬なので、この時期に訪れるなら硬くて香りの良い果物を選びやすいです。旅行中で持ち歩くのが重ければ、その日に食べる分だけばら売りで買っても大丈夫です。
行き方と市場めぐりのコツ
世宗伝統市場は鳥致院駅に近い鳥致院旧市街にあります。鳥致院駅は京釜線と忠北線の列車が停まる駅なので、ソウルや大田から列車で来るのに便利で、世宗の新都心からは市内バスで行けます。市の日でなくても常設の店は開いていますが、露店が長く並ぶ活気ある風景を見たいなら、4と9の付く市の日に合わせて行くのがおすすめです。 市の日には現金を少し用意しておくと便利で、オンヌリ商品券(伝統市場で使える商品券)が使える店も多くあります。人の多い路地では、写真を撮る前に商人に一言断るのがマナーです。市場めぐりの後は近くで鳥致院のパダクを持ち帰りにしたり、夏なら桃を買って世宗湖水公園など新都心の名所へ移動したりするコースもおすすめです。