歴史
1 / 2
熱々のカルグクス · 写真: by jslander / CC BY 2.0 (Wikimedia Commons)

熱々のカルグクス · 写真: by jslander / CC BY 2.0 (Wikimedia Commons)

韓国大田

大田のカルグクス:鉄道と援助小麦粉が生んだ「カルグクスの街」

大田は人口あたりのカルグクス店が最も多い都市とされ、2026年には市がカルグクスを「大田の味」の一つに指定しました。鉄道の街・大田がカルグクスの街になった背景、意外と長いカルグクスの歴史、種類別の選び方をまとめました。

6分で読める7

なぜ大田は「カルグクスの街」なのか

カルグクスは、小麦粉の生地を薄くのばして包丁で切った麺をスープに入れて煮込んだ麺料理です。全国どこにでもある料理ですが、大田の人々のカルグクス好きは数字にも表れています。2023年12月時点の資料を引用した記事によると、大田のカルグクス専門店は727軒で人口1万人あたり5.0軒、国内7大特別市・広域市の中で最も高い数値です。2013年の中区の調査でもカルグクス専門店は570軒を超えていました。 大田市は2026年4月14日、市民4,314人が参加した調査などを経て、パン、カルグクス、豆腐トゥルチギを「大田の味」3品に指定しました。2000年に「大田6味」を定めて以来26年ぶりの全面改編で、カルグクスは名実ともに大田を代表する料理になりました。

鉄道の街と援助小麦粉

大田にカルグクスが多い理由として最もよく挙げられるのが鉄道と小麦粉です。大田は京釜線と湖南線が分かれる鉄道交通の要衝として成長し、朝鮮戦争後にアメリカなどから入ってきた援助小麦粉が汽車で大田駅に大量に運び込まれたといいます。元大田市長は、当時援助小麦を全国へ送る保管所が大田駅にあり、周辺に製粉工場が多かったためだと説明しており、この説明がほぼ定説のように受け入れられています。 1960〜70年代には、西海岸の干拓事業などに動員された労働者が賃金代わりに受け取った小麦粉を大田駅周辺で売りさばいたという話も伝わります。ここに米の消費を減らそうとした政府の粉食奨励運動が重なり、安くて腹持ちのよいカルグクスが庶民の料理として急速に定着しました。

カルグクスはもともと夏の料理だった

今では一年中楽しめるカルグクスですが、昔は事情が違いました。小麦が貴重だった時代、カルグクスは小麦を収穫する旧暦6月頃にしか食べられない季節の料理で、冷水で洗った麺に澄んだスープを注いで食べる夏の料理に近かったといいます。小麦粉の生地を包丁で切って作る今のような調理法は、1934年の料理書『簡便朝鮮料理製法』に初めて登場すると紹介されています。 カルグクスが一年中食べる庶民の料理になったのは、朝鮮戦争後に援助小麦粉が広く普及してからです。小麦の産地ではない大田がカルグクスで有名になったのも、まさにこの時期の小麦粉の流通と結びついています。大田中区文化院の関係者は、鉄道とともに成長した大田の歴史、そして忠清道や嶺南・湖南出身者が混ざり合った都市の多様性がカルグクスに込められていると語っています。

選ぶ楽しさ、大田カルグクスの種類

大田カルグクスの最大の魅力は種類の多さです。牛骨や肉で濃く取ったスープの肉カルグクス、アサリや海鮮であっさり煮たカルグクス、唐辛子粉を溶いてピリ辛に煮たオルクニカルグクス、香ばしいエゴマのカルグクス、小豆のカルグクス、川魚で煮たオジュクカルグクスなど、20種類以上のカルグクスがあると紹介されています。同じ種類でも店ごとにスープと麺が違い、大田の人はそれぞれ行きつけの店があるほどです。 カルグクスを食べるときはサイドメニューも一緒に選ぶのが大田流です。スユク(ゆで肉)や豚足、餃子、キンパを一緒に頼んで分け合うことが多く、イイダコや豆腐トゥルチギのタレにカルグクスの麺を絡めて食べることもあります。オルクニカルグクスはかなり辛いので、辛いものが苦手なら澄んだスープから始めてみてください。

どこで食べて、いつ行くか

老舗のカルグクス店は、大田駅から中央路、銀杏洞、大興洞へと続く旧都心に多く集まっています。大田駅で降りて旧都心を歩き、昼にカルグクスを食べ、午後にパン屋を巡り、夜に豆腐トゥルチギを食べれば、「大田の味」3品を一日ですべて味わえます。カルグクス店は昼時に特に混み、早く閉まる店もあるので、午前11時頃に行くのがおすすめです。 大田中区は2017年からカルグクスをテーマにした祭りを開いてきており、2025年11月にはエキスポ・ハンビッタワー広場で麺の祭りが開かれたこともあります。祭りの日程は毎年変わるので、大田市や中区庁の告知を確認しましょう。カルグクス一杯は量が多めなので、何軒も味わいたいなら同行者とシェアしたり、サイドメニューを控えたりするのも手です。

#大田カルグクス#カルグクス#大田の味#大田駅#大田旅行
大田のカルグクス:鉄道と援助小麦粉が生んだ「カルグクスの街」 | TastyLog